ITエンジニアの人口は2021年度において日本に約120万人いるといわれております。その
エンジニアという職種には様々な種類があることをご存知でしょうか。この記事ではエンジニアの種類において主要な14種を役割や必要なスキルに触れながら解説していきます。
エンジニアという職種には様々な種類が存在します。今回はその中でも主要な14種を役割や必要なスキルを交えて解説していきます。
システムエンジニアとは、主に開発プロジェクトにおける上流工程を担当する職種です。担当するプロジェクトや企業によって担当業務の範囲や内容は様々ですが、一般的にイメージするプロジェクトにおけるプログラミングを実際に行うのはプログラマーの仕事であるため、その作業の前工程である、クライアントの要望ヒアリングから企画や人員、予算、スケジュール管理などのマネジメント業務を担当します。クライアントの要望を正確に把握し、それを実現するまでの企画から管理を統括する重要なポジションです。
役割 | 開発プロジェクトにおける上流工程を担当 |
必要なスキル | ・システム開発の一連の流れを理解 ・プログラミング能力 ・マネージメント能力 |
プログラマーとは主に開発現場における製造工程においてプログラミングを担当する職種です。システムエンジニアが作成したシステムの仕様書や設計書を元にプログラマーがプログラミング言語を用いてプログラムを実際に組んでいき、システムを完成させていきます。プログラマーが開発するものはメーカーや物流系の会社、主に一般企業が利用する生産管理や会計管理システムはもちろんのこと、私達の生活になくてはならないスマートフォンや家電など多岐にわたります。
役割 | 製造工程においてプログラミングを担当 |
必要なスキル | ・プログラミング能力 |
フロントエンドエンジニアとはWebサービスの利用者が目に触れる部分のシステムを開発する職種のことです。システム業界では”見える部分を作る人”と呼ばれております。主な業務内容としてWebブラウザ上で見ることが出来るページや機能の作成など挙げられます。その際に利用される技術要素としてHTML、CSS、JavaScriptなどがあります。フロントエンド側がサーバーにプログラム実行のリクエストをすることで。サーバから必要な情報を受け取りWeb上にリクエストした内容が表示されます。
役割 | フロントエンド開発 (Webサービスの利用者が目に触れる部分) |
必要なスキル | ・HTML、CSS、JavaScriptにおける開発能力 ・サーバーサイド開発理解 |
バックエンドエンジニアとはWebサービス利用者の目に触れない部分の開発担当をするエンジニアの職種のことです。開発対象は主にサーバ上で動くもの全般を表します。システム業界では”動的な処理を記述する人”と呼ばれております。具体的な取り組みとしはフロントエンドのプログラムからの指示を受けて、データベースの処理を実行するプログラムの仕組みを作成するなどが挙げられます。その際に利用される技術要素として『Java』『PHP』『Ruby』などの開発言語があります。
バックエンド側がフロントエンドからの指示を正しく受け取り、適切な処理を行うことでWeb上に目に見えるサービス内容が表示されます。このようにバックエンドについて担当するエンジニアを“バックエンドエンジニア”と呼びます。
役割 | バックエンド開発 (Webサービス利用者の目に触れない部分) |
必要なスキル | ・サーバサイド言語における開発能力 (Java、PHP、Pythonなど) ・データベースの設計・構築 ・フレームワーク等のツールの知識 |
インフラエンジニアとはサーバーやネットワークといったシステムにおけるインフラ業務を担当する職種です。主にインフラの設計、構築、運用、保守、監視などといった業務があります。システムを稼働させる上での裏方の仕事ですが、システムを正常に稼働させ長期に渡って品質を守って運用するために重要な役割を担っております。インフラエンジニアは大きく2つに分類されサーバーエンジニアとネットワークエンジニアがあります。
役割 | サーバーやネットワークといったシステムにおけるインフラ業務 |
必要なスキル | ・サーバー及びネットワークの設計、構築、運用 ・セキュリティに関する知識 |
フルスタックエンジニアとはシステム開発における全ての業務を一通り熟せるスキルを保持する万能なエンジニアを意味します。主にWeb系システム開発において呼ばれており、フロントエンド開発、バックエンド開発、インフラ設計など多岐に渡っての技術要素が求められます。小規模な開発であれば一人称で実現できることや、大規模な開発においても臨機応変に様々なポジションを担当することができることからその希少性は高く市場価値も非常に高いです。
役割 | サーバーやネットワークといったシステムにおけるインフラ業務 |
必要なスキル | システム開発における全ての業務を一通り熟せるスキル |
セールスエンジニアとは主に営業の現場で活躍をするエンジニアのことをいいます。具体的な業界でいうとメーカーやIT系の企業において活躍する職種で、クライアントへの自社製品の導入提案からアフタフォローまでをトータル的に行っていきます。営業とエンジニア両方の役割を担っているため、より専門性が高くスピード感を持った提案や対応を顧客に行うことが可能となります。
役割 | 導入提案・営業同行及び導入支援などの業務 |
必要なスキル | ・専門的な技術的知見 ・営業スキル |
カスタマーエンジニアとはユーザーのシステム導入から保守・点検、修理までを行い基盤を支える職種のことです。現代は情報社会であり、どの会社においてもコンピューターやシステムを基盤にビジネスやサービスを展開することが当たり前の世の中になりました。エンジニアといえばシステムを構築する仕事のイメージが強いですが、カスタマーエンジニアの場合は、時には顧客先に常駐をしたり、依頼があった際にシステムの不具合に対応したり、ユーザーが滞りなく利用出来るようにフォローしていくことが仕事となります。
役割 | 機器の選定、設置、導入支援、保守・点検 |
必要なスキル | ・ITに関する幅広い知見 ・専門的な資格 ・コミュニケーションスキル |
ブリッジSEとはシステム開発の一部を海外企業へと委託するオフショア開発を実施する際の橋渡し役となるシステムエンジニアの役割です。主な仕事内容として『プロジェクトの説明』『設計書の作成』『進捗・品質管理』『教育・指導』などが挙げられます。ブリッジSEは海外企業のエンジニアと何不自由なくコミュニケーションを行うために語学や文化の理解をする必要があります。語学や文化の違いがあればマネージメントの難しさもまた日本国内で実施するのとは違ったものがあります。こうした様々な障害をブリッジSEの存在によって解決し、オフショア開発を円滑に進めるという目的を遂行します。
役割 | 海外企業へと委託するオフショア開発を実施する際の橋渡し役 |
必要なスキル | ・システム開発の一連の流れを理解 ・マネージメント能力 ・語学能力 |
デバッガーとはコンピュータやソフトウェアなどのプログラムにおいてバグの調査や改修を実施する職種のことです。近年ではゲームなどスマホアプリ市場の急成長によって専門的な知見を有することなく対象のアプリケーションを操作するだけで仕様書に従いバグを発見するといった障壁の低い業務も多数需要があります。一方で高いレベルでの集中力と広い視野が必要とされる緻密な業務でもあり多大な時間を費やす場合もあります。デバッガーはIT業界の裏方として様々なアプリケーションのリリースを支える重要な役割です。
役割 | プログラムにおいてバグの調査や改修を実施 |
必要なスキル | ・PC/スマホの操作スキル |
Webコーダーとはお客様の要望をWebディレクターやWebデザイナーが仕様にまとめ上げた内容を基に、Webブラウザ上で閲覧出来るようにコーディング(実装)を行う職種のことです。主にHTMLやCSSというマークアップ言語やJavaScriptというプログラミング現を用いてコーディングを行います。またWordPressなどのCMSと呼ばれるWebページ作成の際の補助ツールを活用する機会も多く見られますのでCMSの知識が必要とされます。
役割 | Webページのコーディング作業 |
必要なスキル | ・HTML、CSS、JavaScriptにおける実装能力 ・CMSの知見 |
WebデザイナーとはWebサイトのデザイン部分を担当する職種のことです。主にPhotoshopやIllustratorなどのデザインソフトを活用してお客様の要望を実現するためデザインのみならず見やすくて使いやすいといったユーザビリティに優れたWebサイトを制作します。Webデザイナーと言ってもデザイン面を担当するだけでなくコーディングと呼ばれるHTMLやCSSといったWebサイトを構成するための言語を活用し実装を行う場合もあります。またWebディレクターと呼ばれる企画や進行管理する担当領域まで任される場合もあります。
役割 | Webページのデザイン作業 |
必要なスキル | ・Webデザイン能力 ・Photoshop、Illustratorなどを扱う能力 |
データサイエンティストとはビッグデータという膨大なデータの中から統計学や数学的な知識を利用しデータを抽出・分析しビジネスやサービスの改善に向けた問題や施策の立案を行う職種のことです。膨大なデータの中から統計学に基づき「Aのような商品を買う人はBのような商品も買う傾向にある」という分析を元に、消費者にオススメ商品を提示しています。他にもサービス業界では来店者数のデータを元に売上予測を出すことで在庫量の最適化に役立てたり、農業分野においては、天候や季節ごとの収穫量に応じて蓄積したデータを活用し効率化に役立てたりとその技術が応用される業界は多岐に渡ります。
役割 | 膨大なデータの中から統計学や数学的な知識を利用しデータを抽出・分析しビジネスやサービスの改善に向けた問題や施策の立案を行う |
必要なスキル | ・データサイエンス能力 ・データエンジニアリング能力 |
IoTエンジニアとはIoT技術を用いたシステム開発を行う職種のことです。IoT製品やサービスの開発は多くの技術が組み合わさっています。担当するサービスや製品によっても業務の内容は大きく異なってくるのも特徴で、必要なスキルも多岐に渡るため特定のスキルを持ったエンジニアが開発を担当するというよりは、ネットワーク、組み込み、セキュリティなどそれぞれの分野に精通したエンジニアが協力して進める仕事になります。それぞれが協力しながら進めることが大事になるため、IoTエンジニアは特定の分野だけに精通しているだけでなく、ハードウェアからソフトウェアまで幅広い知見をそれぞれが持ち合わせているということが必要になります。
役割 | IoT技術を用いたシステム開発 |
必要なスキル | ・組込、制御系能力 ・アプリケーション開発能力 ・AIや機械学習の知見 |
今回はエンジニアという職種において主要な14種の役割や必要なスキルに触れながら解説させていただきました。それぞれ役割や専門的な技術の違いがあることをご理解いただけたと思います。エンジニアという職種を志す際にはどのような種類で活躍したいのかまで考え、必要なスキルに向かって経験を積むと良いでしょう。