Webサイト制作における便利なCSSフレームワークが沢山の種類があることをご存知でしょうか。大規模な制作に向いているものや小規模でWebサイトのベース作成のためのもの、特徴的なデザインパターンを持つものなど要件に合わせて様々な種類が存在します。この記事ではCSSフレームワーク人気どころ12選をそれぞれの特徴を踏まえてご紹介させて頂きます。
CSSとはWebページの見た目・デザインを調整するためのスタイルシート言語です。正式名称は『Cascading Style Sheets(カスケーディング・スタイル・シート)』であり、それぞれの頭文字をとって略称した呼び名で親しまれております。CSSの登場によってHTMLで作成されたWebページ上での表現をより高度に装飾ができるようになりました。具体的には文字のサイズや色、レイアウトなどの表示スタイルなど細かな編集まで手が届くようになったのです。CSSはファイル名に拡張子の『.CSS』を付けることで、コンピューターにCSSファイルとして認識されます。
『CSSにおけるWebサイト制作を簡単に行えるように用意された枠組みのこと』
CSSフレームワークとはCSSにおけるWebサイト制作のプログラミングを効率的に実施するために汎用的な機能群をまとめ、システムの骨組みとなるテンプレートまで用意してくれる枠組みのことです。フレームワークを活用することでプログラミングにおける記述コードを最小限に抑えることが出来ます。CSSフレームワークの代表的な種類としBootstrap、Tailwind CSS、Bulmaなどが挙げられます。
フレームワークの特徴について解説された記事はこちら>>
CSSによるWebページ制作に用いられる人気のフレームワークを12紹介させていただきます。
BootstrapとはWebサイト及びWebアプリケーションを作成するためのCSSフレームワークです。Twitter社が2011年に開発し、フロントエンドフレームワークの中でも最も人気を集めております。BootstrapではWebページの基本機能として使用される「メニュー」「ボタン」「フォーム」などのパーツをテンプレートで用意しております。見た目を調整するCSSファイルや動きをつけるJavascriptファイルが既に作成されており、それらの定義を呼び出すだけでデザインやUIの知識がなくとも、動きのあるリッチなWebサイトを素早く簡単に制作することができます。
TailwindCSSとはWebサイト及びWebアプリケーションを作成するためのCSSフレームワークです。2019年にバージョン1.0がリリースされたばかりと数あるCSSフレームワーク比較的新しいものです。TailwindCSSはユーティリティーファーストを掲げており便利で汎用的なクラスがたくさん用意されています。ユーザーはそれらを組み合わせて自由に使用することができます。特徴として「ユーティリティファースト」「CSSファイルサイズを小さくする」「スタイルの変更をHTMLローカルで安全に行える」などが挙げられます。
BulmaとはWebサイト及びWebアプリケーションを作成するためのCSSフレームワークです。モバイルファーストでレスポンシブWebインターフェイスを構築するために簡単に組み合わせることができ、CSSのみで構成されているので早いことで人気を集めております。Flexboxをベースにしており「Font Awesome」「Sass」に対応しています。同じCSSフレームワークの中でも最も人気を集める「Bootstrap」と比較してもシンプルでかつ軽量で早いという特徴があります。モダンなデザインも豊富なことからカスタマイズ無しでもデザイン性の高いWebサイトが作れます。
MaterializeとはGoogleが提唱するマテリアルデザインに基づくWebサイト及びWebアプリケーションを作成するためのCSSフレームワークです。ユーザーエクスペリエンス重視しマテリアルデザインの要素と原則を利用することで、ユーザーにより多くのフィードバックを提供するコンポーネントとアニメーションを組み込んだフレームワークを実現しております。同じCSSフレームワークの中でも最も人気を集める「Bootstrap」と見た目も操作方法も似ているのでBootstrapの使用経験がある方は簡単に使いこなせます。デザイン性が高いだけでなくアニメーションやトランジションも兼ね備えており多くのユーザーから人気を集めております。
FoundationとはZURB社によって開発されたWebサイト及びWebアプリケーションを作成するためのCSSフレームワークです。「フロントエンドコードをより速く、より良く開発する」といった目的の元に誕生しました。数あるCSSフレームワークの中でも高い人気を集めており「Bootstrap」に次ぐほどと言われております。
人気の理由としてカスタマイズ性が高くデザインが大幅に高速化できるということが挙げられます。またどのデバイスでも見栄えのする美しい応答性の高いWebサイト、アプリ、電子メールなどを簡単に設計できます。信頼できる実績として「Facebook」「Yahoo!」などの世界的な有名企業もFoundationを利用しております。
Pure.cssとはYahoo!によって開発されたWebサイト及びWebアプリケーションを作成するためのCSSフレームワークです。マイクロフレームワークとして最低限の機能だけで構成されております。モバイルファーストで開発されたため、ファイルサイズを小さく保つことを最重要事項としたようです。そのファイルサイズは全てのモジュールやコンポーネントを入れても3.7KBぼどしかありません。軽量でシンプルなCSSフレームワークを好む方におすすめです。また大きくアクセスを抱える大規模サイトへの用途でも力を発揮するでしょう。
UIkitとは高速で強力なWebインターフェースを開発するためのCSSフレームワークです。軽量でモジュール式を採用しており、数あるCSSフレームワークの中でも圧倒的な高いデザイン性であることを多くのユーザーに評価されています。そのユーザーインタフェースの美しさはテンプレートでそのまま使用しても高いセンスを感じさせることができます。デザインにおいて基礎でありながらも難しく高度な技術である「余白」の活用に強いこだわりを感じさせます。
Semantic UIとは美しいWebサイトを素早くデザインするためのCSSフレームワークです。プログラマーに優しいHTMLを使用して、美しくレスポンシブなレイアウトを作成するのに役立つ開発フレームワークとして人気を集めております。数あるCSSフレームワークの中でも「デザイン性が高い」「学習コストが低い」という特徴があります。また3,000以上のテーマ変数が装備されているため、高次元の自由度の高さを実現しております。他にも主な機能として「50以上のUI要素」「3レベルの変数継承」「Flexboxフレンドリー」などが挙げられます。
Tachyonsとは可能な限り少ないCSSでWebサイトを構築するためのユーティリティファーストのCSSフレームワークです。モバイル優先で設計されていることから高速な読み込みで完全なレスポンシブとなっており、ユーザーがコンテンツを簡単に読めるように考慮されています。特徴として「マイクロフレームワーク」「カスタマイズと拡張が簡単」「豊富なコンポーネント」などが挙げられます。Webサイトがデバイス問わず高いパフォーマンスを維持するために一躍をになっております。
MilligramとはWebサイトのベースデザインを構築するためのCSSフレームワークです。0ベースでWebサイトを開発する際に素早く、最低限のスタイルを提供することを目的に丹生しました。よって限りなく軽量なマイクロフレームワークでありそのサイズは縮小してgzip圧縮をすると、ライブラリ全体が2kb未満となります。いずれもWebサイトのパフォーマンスを最大限に引き上げるために設計されたものです。その他の特徴として「デザインセンスが高い」「グリッドシステム対応」などが挙げられます。
Skeletonとはシンプルで羽のように軽いWebサイトのベースデザインを構築するためのCSSフレームワークです。わずか400行のコードにも関わらず「タイポグラフィ」「フォーム」「メディアクエリ」などWebサイト制作に必要な全てを用意しています。モバイルファーストで「Milligram」のように最低限の機能を持ち合わせたマイクロフレームワークとして小規模なプロジェクトで使用することに向いております。特徴として「マイクロフレームワーク(限りなく軽量)」「素早くサイト制作を開始できる」「グリッドシステム対応」などが挙げられます。
TacitとはWebデザインスキルに自信のない方でも魅力的なグラフィックデザインを実現するためのCSSフレームワークです。またデザインスキルのある方でもCSSに工数を割きたくないという場合にはTacitの出番です。Tacitを使用すればグラフィックデザインを採用した美しいWebサイトを簡単に作成することができます。特徴として「グラフィックデザイン」「no class(classを使用しない)」「シンプルで拡張が無い」などが挙げられます。
CSSにおけるフレームワーク人気どころ12選をそれぞれの特徴を踏まえてご紹介させて頂きました。CSSフレームワークを一言で表すと『CSSにおけるWebサイト制作を簡単に行えるように用意された枠組みのこと』です。皆さんのご存知のフレームワークや新たな発見はありましたでしょうか。こちらでご紹介させて頂いた代表的なフレームワークの理解を深めておくことで「コーディング」「デザイン」などの業務負担の軽減につながるでしょう。