Rubyは現在のWEBシステム・WEBサイトの開発において、高い割合で利用されています。特に昨今では国内ベンチャー企業のRuby採用率は高く、人気が高まっています。使えるエンジニアも増えてきており、学習サイトや書籍も充実し、習得の環境は他の言語に比べ整っていると思います。そんなRuby案件のエンジニアの平均単価・相場感、メリット/デメリット、案件の探し方、また今後の見通しについて、ご紹介していきます。
※本記事は原則、フリーランスのSES(準委任)契約を主とした内容となり、平均単価や相場感については当サイト独自調査によりますので、ご了承ください。
Rubyの特徴、メリット・デメリット、フレームワークについて見ていきましょう。
Rubyとはまつもとゆきひろ氏によって1995年に開発されたオープンソースでオブジェクト指向のプログラミング言語です。日本人プログラマーのよって開発された言語として初めて国際電気標準会議(IEC)で国際規格に認証されました。2018年には米国において最も稼げる言語はRubyと言われるほど国内外問わず世界的にも注目を集めています。
Rubyというその名称には『Perl(パール)に続ぐ』という意味が込められており6月宝石であるPerlの次月(7月)宝石のRuby(ルビー)という名称を採用することになりました。Rubyの特徴は記述量が少なく、自由度が高い、そして何より『書くことが楽しい』と多くのプログラマーの方が口を揃えています。RubyはWebアプリケーションの開発に最も向いており代表的な開発事例としてGunosy、食べログ、価格.comなどが挙げられます。
Rubyのメリット・デメリットを見ていきましょう。
メリット | 詳細 |
記述がしやすい | Rubyはプログラミング言語の中でも記述がしやすいというメリットがあります。文法や書式がシンプルに構成されており読みやすく結果記述量も少なくなるという特徴があります。 |
自由度が高い | Rubyは記述の自由度が高い(=制限の少なさ)というメリットが挙げられます。例えば多くのプログラミング言語が変数に型宣言を必要としますが、Rubyは動的型付の言語のため変数に型宣言が不要です。Rubyは自動的に数字や文字列を認識してくれます。 |
Ruby on Railsとの相性 | Ruby on Railsとの相性の良さが素晴らしく人気を集めています。Ruby on Railsは「同じことを繰り返さない」を基本理念としており「簡単なことがより簡単にできる」という特徴から記述がしやすく自由度が高いRubyと最高の相性となるように開発されています。 |
デメリット | 詳細 |
実行速度が遅い | Rubyはインタプリタ言語ですがコンパイラ言語に比べて実行速度が遅いというデメリットがあります。また同じインタプリタ言語であるPHPやPythonよりも遅いという意見もあります。 |
自由度の高さが仇となることも | Rubyでは同じ意味のコードを何通りもの方法で実現が出来るため、複数人などでWebシステムの開発などのプロジェクトを進める際に同一コードベースに複数のコーディングスタイルが混在してしまう場合があります。コーディング実施前に共通ルールを設けるなど対策をとる必要があります。 |
Rubyの代表的なフレームワークを見ていきましょう。
Rubyフレームワーク人気どころ7選を紹介している記事はこちら>>
Rubyのフレームワーク | 内容 |
Ruby on Rails | Ruby on RailsとはRubyに活用されるデビッド・ハイネマイヤー・ハンソン(David Heinemeier Hansson)氏によって開発されたオープンソースWebアプリケーションフレームワークです。基本理念を『同じことを繰り返さない』と掲げております。特徴としては同じソースコードを何度も記述しなくて良い効率よく実装するための仕様となっております。さらにデータベースを直感的に操作ができる機能が提供されており好評を集めております。 – Ruby on Railsの公式サイトはこちら>> – Ruby on Railsの歴史、メリット、基礎知識の解説された記事はこちら>> |
Hanami | HanamiとはRubyに活用されるルカ・ギティ(Luca Guidi)氏によって開発されたWebアプリケーションフレームワークです。2017年4月に誕生をしMVCモデルを採用しております。特徴としてはレスポンスの速さ、メモリの消費を最小限に抑えるなどが挙げられます。 – Hanamiの公式サイトはこちら>> – Hanamiの歴史、メリット、基礎知識の解説された記事はこちら>> |
Sinatra | SinatraとはRubyに活用されるブレイク・ミゼラニー(Blake Mizerany)氏によって開発されたオープンソースのオブジェクト指向Webアプリケーションフレームワークです。2007年に誕生し『最小限の労力でRubyでWebアプリケーションをすばやく作成するためのDSL』を掲げております。特徴として軽量フレームワークと言われており、提供している機能が必要最低限で小規模なウェブサイトの構築に向いております。 – Sinatraの公式サイトはこちら>> – Sinatraの歴史、メリット、基礎知識の解説された記事はこちら>> |
フリーランス向けRuby案件の平均単価・相場感を見ていきましょう。各案件サイトの1ヶ月のRubyの案件単価は
でした。案件を探す方の実務経験や、案件での役割(PM、PL,SE、PG、テスター)、難易度、予算によって前後しますが、概ねその単価感が平均といえます。
Rubyエンジニアとして実務経験1,2年程度の場合の平均単価・相場感について見ていきましょう。
案件評判での実務経験1,2年程度の案件(準委任・週5相当稼働の場合)では、
が相場となっています。
1,2年の経験でもマネジメントやリーダーを任せられた経験や、難易度の高い設計・開発を行った経験、モダンな環境(最新バージョン、フレームワーク、クラウド環境、テスト自動化、その他DockerやGitなど)の利用経験、また成長企業のRuby開発に携わった経験によっては上振れの可能性もある為、最初のうちはできるだけチャレンジできる環境で開発を行っていけると、今後のキャリアにも繋がります。
Rubyエンジニアとして実務経験3,4年以上の場合の平均単価・相場感について見ていきましょう。
案件評判での実務経験3,4年程度の案件(準委任・週5相当稼働の場合)では、
が相場となっています。
マネジメントやリーダーを任せられた経験や、難易度の高い設計・開発を行った経験、モダンな環境(最新バージョン、フレームワーク、クラウド環境、テスト自動化、その他DockerやGitなど)の利用経験、成長企業のRuby開発に携わった経験によっては上振れの可能性もあります。
また3,4年以上の経験があれば、PM、PLなどの役割も任せられる可能性もあり、その役割次第では平均相場を超えた単価も得られる可能性があります。
過去行ってきた開発業務の棚卸しをして、職務経歴書(スキルシート)をしっかりと作り込み、アピールをできるように準備しておきましょう。
Ruby案件の平均単価・相場感は、下記の理由で変動します。
平均単価75万をベースとして下記が目安です。
実務経験の年数が多い程、単価は高くなりますが、期待されることも多くなります。また、PMや要件定義などが対応できれば100万円超えの収入を得ることも可能ですが、難易度・責任は大きくなります。自身の働き方・求める単価のバランスを見て案件を選んでいきましょう。
Ruby案件の今後の動向と将来性について見ていきましょう。
Rubyは、WEBアプリケーション開発に利用されており、特に昨今、国内ベンチャー・テック系企業でのRuby採用率は非常に高まっている為、案件数は非常に多くあります。その中でも最近では特に、『Ruby on Rails』フレームワークを利用しているWEBサービスが圧倒的に増えてきています。Rubyの案件全体から見て、大半がRuby on Railsの案件という状況です。
Pythonのフレームワーク別の案件割合 | |
Ruby on Rails案件 | 96.8% |
Hanami案件 | 0.4% |
Sinatra案件 | 0.4% |
FW無し(ライブラリPandas等)案件 | 2.4% |
(※直近半年の当サイト独自調べ)
競合言語別の案件割合 | |
Ruby案件 | 15.8% |
Python案件 | 10.4% |
PHP案件 | 23.4% |
Java案件 | 31.6% |
他言語(Go言語,Scala等)案件 | 18.8% |
(※直近半年の当サイト独自調べ)
Ruby案件の今後の動向と将来性としては、大手上場企業WEBサービスやその他多くの既存のWEBサービスにRubyが使われている点から、すぐに廃れるということはなかなか考えづらいく、現在進行系でも新規のWEBサービス開発でRubyが採用されている為、しばらくRubyの案件数は一定以上あると推測されます。利用トレンドやフレームワークの偏りはある為、Rubyの中でも動向を追う必要はあります。
同じスクリプト言語で競合に当たる、Java、PHP、Python、JavaScriptと比較した場合、使用用途の棲み分けが一定されている為、Rubyの案件だけが急速に減るということは考えづらいですが、今後どのような波・トレンドが来ても対応できるよう、常に新しいバージョンや開発環境などはキャッチアップしておくと良いと思います。
フリーランスのRuby案件の探し方を見ていきましょう。一般的には契約形態として、準委任契約と請負契約があります。どちらの場合も今の時代、WEB上で仕事探しが可能ですので、それぞれの主なサービスを見ていきましょう。
業務委託契約(準委任契約と請負契約との違い)について解説している記事はこちら>>
フリーランスのRuby案件を準委任契約で探せるサービスを見ていきましょう。準委任契約では、主に週5(1ヶ月)の稼働をする形で業務を委託されます。(案件により、週2〜3なども有り)
メリットとしては、一定量のまとまった金額が保証される点、また複数月の契約の場合が多い為、続けて仕事を探さなければならないということが少ない点が挙げられます。
デメリットとしては、自身の裁量にもよりますが、基本1ヶ月丸々稼働を抑えられてしまう為、他の仕事を掛け持ちしずらい点、また現場出社が基本となる点が挙げられます。
(※現在ではコロナ渦によりリモート案件も非常に増えています。)
案件評判(Hack’en)ではIT業種のエンジニア・デザイナーなどフリーランスの方向けの案件をご紹介しております。直案件・高単価やリモートなど希望に合う案件を多数準備しております。またフリーランスのガイドブックを無料配布しており、案件以外の不安なことは相談できる、丁寧・スピード対応のエージェントです。
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【Pe-BANK】
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ITプロパートナーズ
フリーランスのRuby案件を請負契約で探せるサービスを見ていきましょう。請負契約では、顧客の業務(開発やデザイン)を請負い、完成、納品までさせる必要があります。顧客の希望予算・納期に合わせて動く為、稼働量は一概に言えません。
メリットとしては、作業時間の縛りは基本無い為いつでも業務ができる点です。また極端に言えば準委任で1ヶ月70万円の仕事を1週間で終わらせてしまうことも可能で、実力によっては1ヶ月の収入を100-200万以上にすることも可能です。
デメリットとしては、顧客の継続発注が無い限りは1つの業務が終われば次の業務を探さなければならない為、継続性が低い点、また完成義務がある為、開発したものの不具合にいつまでも引きづられる可能性がある点です。
クラウドワークスは主に請負契約で、案件を探す場合に活用できるクラウドソーシングです。登録者数・案件数ともクラウドソーシングの中では業界大手のサービスです。実績が少ない内は、こういったサービスを活用して、実績を積み、ポートフォリオの拡充を図っていくことも効果的です。
【クラウドワークス】
ランサーズは主に請負契約で、案件を探す場合に活用できるクラウドソーシングです。登録者数・案件数ともクラウドソーシングの中では業界大手のサービスです。実績が少ない内は、こういったサービスを活用して、実績を積み、ポートフォリオの拡充を図っていくことも効果的です。
【ランサーズ】
準委任契約での案件例を見ていきましょう。
Ruby実務経験1,2年程度の案件例を見ていきましょう。
項目 | 内容 |
案件 | 新規人材系システムの開発・改修 |
場所 | 銀座(東京都)※リモート可 |
期間 | 4月〜中長期 |
業務内容・役割 | 新規開発中の人材システム開発においてRuby on Railsを使用してバックエンド開発業務に携わります。 |
必要スキル | ・Ruby on Railsでの開発経験1年以上 ・開発における設計工程の経験 |
尚可・歓迎スキル | ・AWS環境での開発経験 ・DBの設計運用経験 |
単価 | 550,000円〜605,000/月(税込) ※現地へ行く際の交通費込み |
精算幅 | 140-180H |
面談回数 | 1回 |
備考 | リモートで可能です。 |
Ruby実務経験3,4年以上の案件例を見ていきましょう。
項目 | 内容 |
案件 | 飲食店向け予約システム開発 |
場所 | 渋谷(東京都)※リモート可 |
期間 | 3月〜中長期 |
業務内容・役割 | 飲食店向けの予約システムと複数社のポイントシステム連携業務に携わります。またバッチでの一括ポイント付与のシステムの開発も行います。 |
必要スキル | Webアプリケーション開発経験5年以上 Ruby on Railsでの開発経験3年以上 |
尚可・歓迎スキル | ・AWS環境での開発経験 ・リーダー経験 |
単価 | 880,000円〜990,000円/月(税込) ※現地へ行く際の交通費込み |
精算幅 | 140-180H |
面談回数 | 1回 |
備考 | リモートで可能です。 |
エンジニア未経験・初心者の方について見ていきましょう。未経験・初心者の方で、特にフリーランスとして案件を獲得するのは非常に難しく厳しなっていることが現状です。そんな中でもできる動きとして下記を参考にしてみてください。
上記のクラウドワークスやランサーズ等のクラウドソーシングを活用していく。決して未経験を推奨している訳ではないですが、システムを開発・納品までする一連の流れを経験することで、開発の全体を見ることができます。小規模でも、予算・納期の把握、開発・調整と学ぶことは多くあります。またここで実績を複数作ることで、開発ポートフォリオを充実させることもでき、その後の案件獲得もスムーズになってきます。
プログラミングスクールはプログラミング言語などのITに関する必要な技術を学べるスクールのことです。利用者の主な目的としては就職や転職、副業などとされておりスクールによっては就職や転職までを支援することを目的とした就職保証プランなども存在し人気を集めております。
今では幼児や小学生に向けられたプログラミングスクールも多数あります。幼少期を含めた若者層だけでなく、シニアや年配者といった高齢者層に向けられたスクールも注目を集めております。
スクールではそのまま案件を紹介してくれるサービスもあるので、そのままそのスクールに案件を紹介してもらうこともスムーズに仕事を探せる手段の一つです。
プログラミングスクールについて解説している記事はこちら>>
また無料で学べるオンラインサイトも現在非常に充実しています。有名なところで、『Progate(プロゲート)』、『ドットインストール』、『paizaラーニング(パイザラーニング)』、『Schoo(スクー)』など、20以上のサービスが無料で利用できます。
どうしても案件が取れないときは、就職活動も視野に入れることをお勧めします。未経験・初心者でフリーランスとして案件を探すにはかなりハードルが高いのですが、その理由は単に『経験』が無いからです。その『経験』を付けるにはやはり、就職して現場の開発の一連の流れをしっかりと学び、実務経験を積むことが近道です。エンジニア不足の昨今、未経験者でも、独学でも学習をしている方は積極的に採用していく企業は増えてきています。
ただし、将来フリーランスになりたいからという理由があった上で、企業は採用することはほぼ無い為、まずは社員・フリーランス問わずしっかり今後どういうエンジニアになりたいのか、将来像・キャリアを考え動いて行きましょう。