BASICは初心者向けのプログラミング言語として誕生してから50年以上の歴史を持つ手続き型プログラミング言語です。1970年代 ~90年代にかけて特にパソコンの分野で広く浸透し一時代を築いた言語として多くの方に知られております。またマイクロソフト社の創業者であるビル・ゲイツ氏が開発した『Microsoft BASIC』もこちらのBASICの派生言語です。数々の派生言語を生み出し、一時代を築いたBASICというプログラミング言語について見ていきましょう。この記事ではBASICを理解するために初心者でも分かる歴史、特徴、派生言語、基礎知識などを簡単に解説していきます。
BASICとは米国ダートマス大学のジョン・ケメニー氏、トーマス・カーツ氏によって1964年に開発された手続き型プログラミング言語です。BASICは初心者向けのプログラミング言語として1970年代以降広く利用されておりました。誕生当初のBASICは一般的なプログラミング言語が必要とする様々な宣言を不要とし、利用者が必要な処理だけでプログラムとして成立することや、文字列の扱いが容易で文字列操作の機能が豊富なこともあり初心者でもプログラミングを容易に始められるという特徴がありました。
プログラムの記述においてより自然に近い「INPUT」や「PRINT」などの言葉を使用できるようになったのもこのBASICからと言われております。BASICの代表的な派生言語としてVB(Visual Basic)、VBAなどが挙げられます。
BASICの読み方は『ベーシック』が一般的となっております。名前の由来は「beginner’s all-purpose symbolic instruction code(初心者向け汎用記号命令)」のそれぞれの頭文字をとってBASICと名付けられました。
BASICはアメリカのニューハンプシャー州にあるダートマス大学の教授であるジョン・ケメニー氏、トーマス・カーツ氏の二人によって1964年5月1日に開発された手続き型プログラミング言語です。初心者向けのプログラミング言語として誕生し、「INPUT」や「PRINT」などの自然に近い記述が活用できるようになったのもBASICの誕生によるものです。1970年代になるとコンピューターにおいて特にパソコンの分野で広く使用されるようになります。1975年にはマイクロソフト社がBASICを参考にVB(Visual Basic)の前身となるプログラミング言語『Microsoft BASIC』を開発しました。
その他にも様々なメーカーがBASICベースの製品を発表しており代表的なものとしてF-BASIC(富士通)、N-BASIC(NEC)、S-BASIC(シャープ)などが挙げられます。1980年代になるとスタンドアロンBASICの誕生により多くのパソコンに搭載されるようになります。1991年にはマイクロソフト社より『VB(Visual Basic)』が発表されBASIC系の派生言語として人気を集めました。VB(Visual Basic)は2020年現在でも数多くの場面で使用されていおりBASIC系の派生言語として現存する中でも最もポピュラーなプログラミング言語と言えます。
BASICはインタプリタ言語という人間が書いたプログラム(ソースコード)をコンピュータが実行する際に1行ずつコンピュータが読み取りやすいように機械語に翻訳していきながら、そのプログラムを実行していく方式を持つプログラミング言語です。インタプリタ言語は『コンパイルが不要』のためプログラムの確認や修正が容易であるというメリットがあります。一方でコンパイラ言語に比べて『実行速度が遅い』というデメリットがあります。代表的なインタプリタ言語としてPHP、Ruby、Pythonなどが挙げられます。
インタプリタ言語の種類や特徴を解説している記事はこちら>>
BASICは手続き型プログラミング言語というコンピューターがプログラムを実行すべき命令や手続きを順に従って記述していくことで構成されるプログラミング言語の種類です。手続き型プログラミング言語は処理を順番通りに構成していくことから「コードが記述しやすい」ということや「学習コストが低い」という特徴があります。代表的な手続き型プログラミング言語としてC言語、COBOL、Perlなどが挙げられます。
手続き型プログラミング言語の種類や特徴を解説している記事はこちら>>
BASICの特徴を見ていきましょう。
BASICにおいてプログラムを記述するさいに『A』または『a』どちらでも同じものとして認識されます。
BASICは誕生当初GOTO文という各命令に対して行番号を付与し、行番号を指定してジャンプするという文法を採用しておりました。これについて簡単に使用できるというメリットはあったものの、構造化プログラミングという観点で合わず悪い構造(通称:スパゲッティプログラム)を生み出してしまう原因となりやがて淘汰されました。
BASICから派生したプログラミング言語を見ていきましょう。
VBはマイクロソフト社の開発によって1991年に誕生しました。同社が1975年に開発した『Microsoft BASIC』が前身のプログラミング言語となっており、BASIC系の派生言語と言われております。Microsoft BASICまで遡ると50年以上のプログラミング言語の中でも古く歴史のある言語となります。実はこのMicrosoft BASICの開発はマイクロソフト社の創業者であるビル・ゲイツ氏が中心となっておりました。
Microsoft BASICはその後、『QuickBASIC』によって統一され進化を遂げた後に、『QuickBASIC×Ruby』でVisual Basicの開発を行いました。Visual Basicは1998年にリリースされたVisual Basic6.0を最後のバージョンとして以降『.NET Framework』へと対応を実現しVB.netと一時的に名称変更をしました。その後2005年版より『VB 2005』というように以前通りの名称に戻っております。VBは以下の表の通り、数々のバージョンアップを繰り返し、今も尚、改良と成長を続けるプログラミング言語として親しまれております。
VB(Visual Basic)の歴史や特徴を解説している記事はこちら>>
Microsoft BASICは1975年にマイクロソフト社のビル・ゲイツ氏とポール・アレン氏によって開発された同社が販売するBASIC派生言語の一種です。前述で紹介したVB(Visual Basic)の前身であり、マイクロソフト社創業者のビル・ゲイツ氏が開発したプログラミング言語として有名です。当時発売されていた主なバージョンとしてインタプリタ系、コンパイラ系、プロフェッショナル向けの3種類がありました。
VBAとはマイクロソフト社によって1993年に開発されたMicrosoft Officeシリーズに搭載されているプログラミング言語です。VBAを使用することでExcel、Access、Word、PowerPointなどのMicrosoft Office製品の機能をカスタマイズすることや拡張などが可能となります。またVBAの正式名称は『Visual Basic for Applications(ビジュアルベーシック・フォー・アプリケーションズ)』です。VBAの主要な機能としてデータの計算・集計、提携ファイルの作成、サイトクローリングなどが挙げられます。
VBAの特徴や種類を解説している記事はこちら>>
古典的BASIC、現代化BASIC、オブジェクト拡張、マイクロソフト系の4種類に分けて見ていきましょう。
古典的BASIC | BASIC/98 |
BASIC STUDIO | |
MSX-BASIC | |
PC-BASIC | |
現代化BASIC | FutureBASIC |
QuickBASIC | |
Small Basic | |
オブジェクト拡張 | ActiveBasic |
Chipmunk Basic | |
FreeBASIC | |
マイクロソフト系 | Microsoft BASIC |
Visual Basic | |
VBA |
BASICを理解するために初心者でも分かる歴史、特徴、派生言語、基礎知識などを簡単に解説させていただきました。BASICを一言で表すと『初心者向けの手続き型プログラミング言語』です。プログラムの記述において自然な言葉を用いることを切り開いた言語であり、数多くの派生言語を生み出してきました。特徴として「大文字・小文字は共通認識」「GOTO文」などが挙げられます。他にもBASICについてこの記事に記載されている最低限の内容は理解しておくようにしましょう。