CakePHPはPHPに活用されるオープンソースのWebアプリケーションフレームワークです。2010年代PHPフレームワークの中でもトップクラスの人気を誇り、多数のWebアプリ開発において活躍をしてきました。この記事ではCakePHPを理解するために初心者でも分かる歴史、特徴、基礎知識などを簡単に解説していきます。
CakePHPとはPHPに活用されるcakeソフトウェア財団によって開発されたオープンソースWebアプリケーションフレームワークです。2005年3月に誕生しCakePHPの名の由来は、ケーキを焼くように手軽に開発するというもので公式ロゴにもケーキが採用されております。CakePHPの特徴は誰でも素早く快適に開発を行えることを目指して生み出されたプロトタイピング型のフレームワークとなっております。Ruby on Railsの概念を多数採用しており、Rails流の高速開発とPHP特有の機動性を兼ね備えております。
PHPとはラスマス・ラードフ氏によって1995年に開発されたオープンソースのサーバーサイド言語です。動的なWebページを生成することができるプログラミング言語として全世界で親しまれております。HTMLに埋め込むことが出来ることからWebシステム開発で使用される機会が多いです。PHPというその名称には「Hypertext PreprocessorPHPはHTMLのプリプロセッサである」という意味が込められております。特徴は『動作確認が簡単であること』や『HTMLの中で簡単にコードを動かせる』といったことが挙げられます。またPHPはインタプリタ言語ですのでプログラムを実行する際にコンパイルが不要でソースコードの修正をした場合、即座に修正が反映されます。Webサービスを開発するプログラミング言語としてPHPは世界的にトップクラスの人気を集めております。
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『PHPにおけるシステム開発を簡単に行えるように用意された枠組みのこと』
PHPフレームワークとはPHPにおけるシステム開発のプログラミングを効率的に実施するために汎用的な機能群をまとめ、システムの骨組みとなるテンプレートまで用意してくれる枠組みのことです。フレームワークを活用することでプログラミングにおける記述コードを最小限に抑えることが出来ます。PHPフレームワークの代表的な種類としてCakePHP、FuelPHP、Laravelなどが挙げられます。
PHPフレームワーク人気どころ8選ついて解説された記事はこちら>>
CakePHPの読み方は『ケイクピーエイチピー』です。名前の由来は「ケーキを焼くように簡単に」という想いが込められており命名されたと言われております。ユニークな名称を付けられたことも印象に残る要因であり、世の中に深く浸透して行った理由の一つかもしれません。
CakePHPはcakeソフトウェア財団によってオープンソースのWebアプリケーションフレームワークとして2005年にリリースされました。日本においてCakePHPの利用が浸透したのは2009年以降と言われております。以降2017年まではPHPにおいて最も人気のあるフレームワークとして注目を一時代を築きました。2018年よりLaravelの加速的な普及により、人気に陰りを見せるも2020年現在もWebサイトにおいて最も使用されているフレームワークとして活躍を続けております。登場以来度重なるアップデートを繰り返し2020年10月現在の最新バージョンは4となっております。簡単に以下の年表にまとめておりますのでご覧ください。
年代 | バージョン |
2005年3月 | CakePHPプロジェクト開始の発端 |
2005年12月 | cakeソフトウェア財団が設立 |
2006年5月 | CakePHP1.0 |
2009年 | 日本においても浸透し始める |
2011年11月 | CakePHP2.0 |
2014年3月 | CakePHP3.0 |
2019年12月 | CakePHP4.0 |
CakePHPの特徴を見ていきましょう。
CakePHPはbake機能と呼ばれる開発速度向上のための機能を持つという特徴があります。
bakeという機能の名称はCakePHPというフレームワークの名称にちなんでおりケーキを「焼く(bake)」という意味が込められおります。bake機能とは、CakePHPのMVCモデルによるWebアプリケーションの雛形を自動生成するための機能のことです。
CakePHPはMVCに基づく機能分離を設計しているという特徴があります。PHPプログラムをModel(モデル)、View(ビュー)、Controller(コントローラ)の3つの役割に分けて記述するように設計されております。このようにMVCを採用していることで実装部分における作業負担を軽減することができます。
MVCモデルの歴史、特徴などについて解説された記事はこちら>>
CakePHPは豊富なセキュリティ機能が完備されているという特徴があります。「XSS対策」「CSRF対策」「フォーム改ざん検知」「SQLインジェクション防止」など開発者にとって有難いセキュリティ機能を数多く用意しております。
CakePHP以外のPHPによるシステム開発に用いられる代表的なフレームワークを紹介させていただきます。
LaravelとはPHPに活用されるテイラー・オットウェル(Taylor Otwell)氏によって開発されたオープンソースのWebアプリケーションフレームワークです。2011年6月に誕生し、現在PHPのフレームワークにおいて最も注目度の高い人気のフレームワークとなっております。Laravelの特徴は開発初心者でもWebアプリケーションの構成を簡単に取り組めてしまうほどのハードル低さが挙げられます。Laravelのその名の由来は『ナルニア国物語』に登場するナルニア国の王都、ケア・パラベルにちなんだものと言われております。
FuelPHPとはPHPに活用されるFuelPHP developer teamによって開発されたオープンソースWebアプリケーションフレームワークです。2010年10月に誕生しHMVCというソフトウェア設計モデルが採用されております。特徴としては比較的新しいフレームワークということもあり様々な有名フレームワークの良いところを継承して、問題点を解決するフレームワークとして注目を集めております。学習コストも低く、スピーディーに開発に取り掛かることが出来ることから比較的小規模な案件に向いているとされております。
ZendFrameworkとはPHPに活用されるZend Technologies社によって開発されたオープンソースのオブジェクト指向Webアプリケーションフレームワークです。2006年3月に誕生しPHP5.1.4以上に対応しております。ZendFrameworkの特徴は拡張性に長けており、使い方が自由であるという点です。また仕組みもとてもシンプルに構成されており、他のフレームワークと比較しても習得しやすいとされております。
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ZendFrameworkの歴史や特徴、基礎知識について解説された記事はこちら>>
CakePHPを理解するために初心者でも分かる歴史、特徴、基礎知識などを簡単に解説させていただきました。CakePHPを一言で表すと『Webサイトにおいて最も使用されているフレームワーク』です。CakePHPは「bake機能」「MVC」「豊富なセキュリティ機能」という特徴が挙げられます。CakePHPについてこの記事に書かれている最低限の内容は理解をしておくようにしましょう。