WindowsFormsとはマイクロソフト社が開発するグラフィカルユーザーインターフェイスAPIです。画面を作成するためのフレームワークと捉えるとイメージしやすいでしょう。
2000年にリリースされて以降、20年の歴史がありますが現在もなお直感的に画面の作成ができるということで人気を集めております。この記事ではWindowsFormsを理解するために初心者でも分かる使用環境、特徴、基礎知識などを簡単に解説していきます。
WindowsFormsとはマイクロソフト社が開発する『NET Framework』に含まれるグラフィカルユーザーインターフェイスAPIです。WindowsFormsのFormsが指す『Forms(フォーム)』は『ウィンドウ』のことであり画面のことを意味しております。Windowsのユーザーインターフェイス要素へのアクセスを提供するフレームワークと考えるのが分かりやすいです。2000年にリリースされた「.NET Framework 1.0」と共に誕生しました。後を追う形で2006年にリリースされた「.NET Framework 3.0」と共に『WPF』が誕生。WPFはWindowsFormsの欠点を補う形で開発され早い段階での移行が予測されておりましたが、現在でもWindowsFormsを利用するユーザーは一定数以上おりまだまだニーズが残ることが予測されております。WindowsFormsの特徴は「直感的な画面作成」「イベントドリブンモデル」「学習コストが低い」などが挙げられます。
WindowsFormsの読み方は『ウィンドウズフォーム』が一般的となっております。日本語版の公式ドキュメントでは「Windowsフォーム」と表記されているため文字表記ではどちらも使用されておりますが意味は同一です。略称は『WinForms』とすることが多いです。
WindowsFormsを使用する環境を見ていきましょう。
.NET Frameworkとはマイクロソフト社が開発・提供するアプリケーション開発・実行環境用フレームワークです。主にVisual Studioで開発したプログラムをWindows上で動作させる
ためのに使用されます。Windowsアプリケーションのみならず、WebサービスやWebアプリケーションなどの開発をすることが出来ます。.NET Frameworkは『共通言語ランタイム』『基本クラスライブラリ』『フレームワーク』の3つで構成されております。また最大の特徴として『複数の言語で開発出来る』ということが挙げられます。
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Visual Studioとはマイクロソフト社が開発・提供するC#やVisual Basic(VB)向けの統合開発環境(IDE)です。統合開発環境とはソフトウェアの開発において必要な機能を豊富に取り揃えたプログラム環境用パッケージのことです。Visual Studioには開発をする上で必要な全て「コードエディタ」「コンパイラ」「デバッガ」などの様々なツールが集約されております。1997年に初版がリリースされて以降、数々のアップデートを繰り返し2020年時点で『Visual Studio 2019』が最新バージョンとなっております。Visual Studioでは様々な種類が提供されており『Visual Studio Community』『Visual Studio Code』『Visual Studio Online』などが挙げられます。主な対応プログラミング言語としてC#、Visual Basic(VB)、C++が挙げられます。
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VB(Visual Basic)とはマイクロソフト社が開発・提供するプログラミング言語です。VBは
マイクロソフト社が開発した『Visual Studio』に組み込まれており、様々なアプリケーションの開発に活用されております。VBは正式名称であるVisual Basicの名前にもあるとおり、『BASIC』というプログラミング言語から派生したマイクロソフト社のQuickBASICを拡張したものとして1991年に登場しました。BASICが初心者向けのプログラミング言語であることからVBも初心者向けとして扱われることが多かったようです。VBは30年近い歴史があることから数多くのバージョンアップを繰り返しており、2020年5月現在ではVisual Basic 16.0が最新バージョンとなっております。VBの特徴として『初心者でも覚えやすく使いやすい』『RADの先駆者』などが挙げられます。
VB(Visual Basic)の基本情報や特徴などを解説している記事はこちら>>
C#とはマイクロソフト社のアンダース・ヘルスバーグ氏が設計したプログラミング言語です。C#という言語はマイクロソフト社が開発した『.NET Framework(ドットネットフレームワーク)』と共に2000年に誕生しました。C#はマルチパラダイムと呼ばれる複数のスタイルから構成されており中でも、オブジェクト指向が主のスタイルです。言語名にも含まれている通り、C系の言語としてCやC++の影響を受けております。尚、設計者のアンダース・ヘルスバーグ氏が以前設計に携わったDelphiの影響も少なからずあるようです。C#の特徴として『マルチパラダイムでオブジェクト指向が主』、『.NET Framework』、『Windowsアプリの開発に向いている』などが挙げられます。C#はマイクロソフト社が開発・提供していることもありWindowsアプリケーションの開発に非常に向いております。
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WindowsFormsの特徴を見ていきましょう。
WindowsFormsは高機能なGUIデザイナーが搭載されているため直感的な画面作成を行うことができるという特徴があります。HTMLやCSSといった画面作成のためのプログラミング言語を駆使せずとも、あらかじめWindowsFormsに用意されたボタンやラベル、テキストボックスなどを簡単に配置して画面を作成することができます。
WindowsFormsはイベントドリブンモデルを採用しているため、ボタンクリックなどのイベントを処理するコードを記述することで簡単にGUIを扱うことができます。
WindowsFormsは学習コストが低いという点でも人気を集めております。凝ったデザインを必要としない場合、上述の通り直感的な画面作成を行うことができるため初心者の方でも容易に習得することができます。
Windows FormsとWPFの違いについて簡単に解説します。まず一言で違いを表すとWindows Formsは『Windows 標準コントロールの上のレイヤー』でありWPFは『一から組み立てが可能』となります。Windows Formsの方が直感的な画面操作に優れており学習コストが低いという利点が挙げられますが、一方でWPFの方が自由度が高く、Windows Formsで低評価だった部分が改良されておりレベルアップしていると言われております。その他の要素で比較した表は以下をご覧ください。
Windows Forms | WPF | |
直感的な画面操作 | ◎ | △ |
学習コスト | ◎ | ○ (Windows Formsに馴染みがあると良し) |
機能拡張 | ◎ | ○ |
自由度 | △ | ◎ |
更新頻度 (サポート) |
△ | ◎ |
Windows Formsを理解するために初心者でも分かる使用環境、特徴、基礎知識などを簡単に解説させてしたいただきました。Windows Formsを一言で表すと『マイクロソフト社が開発するグラフィカルユーザーインターフェイスAPI』です。特徴として「直感的な画面作成」「イベントドリブンモデル」「学習コストが低い」などが挙げられます。Windows Formsについてこの記事に記載されている最低限理解をしておくようにしましょう。