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COBOLを理解する!初心者でも分かるメリット、できること、基礎知識などを簡単に解説!

COBOLを理解する!初心者でも分かるメリット、できること、基礎知識などを簡単に解説!

最終更新:2021/12/06 投稿:2020/08/09
COBOLを理解する!初心者でも分かるメリット、できること、基礎知識などを簡単に解説!

COBOLは事務処理コンピューターに用いる目的で使用される共通事務処理用言語です。1959年に誕生し60年以上ものあいだ重宝されている歴史あるプログラミング言語として活躍しております。この記事ではCOBOLを理解するために初心者でも分かるメリット、できること、基礎知識などを簡単に解説していきます。

COBOLとは

COBOLとは事務処理コンピューターに用いる目的で1959年に誕生した汎用系プログラミング言語です。正式名称は『Common Business Oriented Language』であり、日本語訳をすると「共通事務処理用言語」という意味があります。COBOLの開発者は当時53歳の女性プログラマーである『グレース・ホッパー氏』です。グレース・ホッパー氏は計算機科学者で有りながら米国の軍人として75歳まで任期を務めた最終階級を推将とする名誉ある人物なのです。
COBOLが日本に上陸したのは1963年頃であり、金融系・製造業系などを中心に普及が進み、いつしか事務処理といえばCOBOLと言われるまでになりました。事務処理用言語としての特徴以外にも大量なデータ処理に向いており、高生産性・高保守性に優れております。代表的なCOBOLの種類としてIBM製(IBM-COBOL)富士通製(NetCOBOL)日立製(日立COBOL)などが挙げられます。

『COBOLの基本情報』
誕生時期:1959年
開発者:グレース・ホッパー氏
種別:共通事務処理用言語
特徴:①事務処理用言語/②大量なデータ処理に向く③高生産性・高保守性

COBOLの読み方・名前の由来

COBOLの読み方は『コボル』が一般的となっております。またCOBOLのプログラマーは『コボラー』と呼ばれることが多いようです。正式名称は『Common Business Oriented Language』です。名前の由来は正式名称からも分かる通り「共通事務処理用言語」を意味していることから来ております。

COBOLの誕生と歴史

COBOLは1959年9月にCODASYLの発表によって事務処理用プログラミングとして誕生しました。COBOLの開発者として大きく貢献した人物は『グレース・ホッパー氏』です。米海軍所属の軍人であり、イェール大学大学院で数学博士号を取得した実績を持ちます。COBOLの誕生の背景には科学技術計算向けの高水準言語である『FORTRAN』の事務処理へのハードルの高さを受け、それを解決するための「共通事務処理用言語」を実現したいという目的がありました。
日本に上陸したのは1963年の頃で、日本のメーカー中でも初めて対応したのが1965年の富士通製である『Net-COBOL』と言われております。それからというものアメリカ規格(ANS)、国際規格(ISO)、日本工業規格(JIS)において第1次規格から第5次規格なるまでますます改定がなされ大きな成長と普及を続け60年の歴史を持つまでになりました。

年表 内容
1959年 CODASYLの発表により事務処理用プログラミング言語『COBOL』誕生
1963年 日本上陸
1965年 富士通が日本のメーカーで初めて対応
1985年 COBOL85を 発表(構造化プログラミング)
2002年 COBOL2002を発表(オブジェクト指向)
2009年 COBOL50周年記念
マイクロフォーカスが50周年記念サイトを開設
2019年 フォーチュン500企業の90%がCOBOLプログラムを使用

COBOLでできること

COBOLでできることを見てきましょう。

事務処理全般

COBOLは『共通事務処理用言語』を意味することからも分かるように主な用途は事務処理全般となっております。金融系業界や行政などで活用されるシステムに使用されることで世界的に広まっていきました。多くの場合、事務処理には金額を主とする数値を用いた処理が発生します。これらの処理に向いているCOBOLは事務処理に最適な言語として現在も尚、重宝されております。

数値計算処理

数値計算処理では金額などの重要な数値データに誤差が発生しないように細心の注意が必要です。COBOL以外の言語の場合、演算誤差や小数点処理が弊害となることがあります。一方、COBOLでは2進数・10進数を採用して計算をしていることから正確な数値計算を実現することができます。

バッチ処理

事務処理には数値などのデータをまとめて処理する必要性があり、バッチ処理を行う場面が多々あります。大量のデータを入出力・管理し、並べ替えや抽出などの作業を高速に処理することができます。具体的な活用事例として銀行のシステムなどユーザーの利用時間外である夜間などにデータ処理の時間を設定し、入出金・送金処理などを実現するためのプログラム方式として用いられております。

『バッチ処理とは』
バッチ処理とはデータをまとめて処理するプログラム方式のことです。あらかじめプログラムに一連の処理方式を登録することで一定期間そして一定量のデータをまとめて一括に処理することができます。

バッチ処理の意味や特徴を解説している記事はこちら>>

COBOLのメリット

COBOLのメリットを見ていきましょう。

事務処理用言語ゆえに事務処理に特化

COBOLは前述でもふれた通り『共通事務処理用言語』として誕生したことから事務処理に特化しております。正確かつ高速に数値計算処理を実現出来ることや、事務処理に不可欠なバッチ処理も得意としております。これらのメリットが挙げられる理由として『二進化十進法』を演算方法として採用されていることがいえます。

『二進化十進法とは』
二進化十進法とはコンピュータにおける演算方式の一つで、十進法の1桁を、0から9までを表す二進法の4桁で表したもの

高生産性・高保守性

COBOLは可読性が高い言語であるため高生産性・高保守性というメリットがあります。言語記述ルールが単純明快で、他の言語と比較しても簡単であることからプログラマーによって同じ機能を作成する場合のソースコードの差異が少ないことから誰もが解析しやすいです。データ名・ファイル名・段落名などに日本語が利用可能なこともメリットの一つです。

金融系業界ではまだまだ重宝される

COBOLは特に金額などの数値計算処理を強みとすることから60年の歴史が経過した現在でも金融系業界で重宝されております。銀行や証券といった会社では数値の計算が1円でも間違うことを許されないため計算への正確性が必要です。また膨大なデータ量を扱うことから一括で大量なデータを処理することも求められます。未だに多くのシステムがCOBOLベースで構築されており、今後もCOBOLエンジニアの需要が一定数残り続けることが予測されます。

COBOLが専門とする汎用系システム開発とは

汎用系システム開発とは『汎用機』と呼ばれる専用の大型コンピュータを使用してシステム開発を行うことです。主にIBM、日立、富士通などの汎用機を用いて基幹システムの構築を行います。主に大企業が業務処理を効率化する際に必要とされるシステム開発に活用されております。汎用系システム開発に活用するCOBOLの名称を『汎用系COBOL』と呼びます。

汎用系システム開発の特徴や歴史を解説している記事はこちら>>

COBOLの基本的な文法

COBOLの基本的な文法を見ていきましょう。

変数の定義(集団項目・基本項目・レベル番号)

COBOLでは変数の定義を行う際に集団項目・基本項目・レベル番号を用います。

データ項目 内容
集団項目 基本項目と集団項目が集まるデータ項目
基本項目 最小限まで分類されたデータ項目
レベル番号 データ項目の階層や従属関係を定義

データ型の種類

COBOLではデータ型の種類は主に数値形式、英数字形式、書式編集形式の3つが挙げられます。

データ型の種類 内容
数値形式 符号および小数点を伴う数値を扱う
英数字形式 任意の文字( 英字、数字、空白含む)
書式編集形式 Z(,)(.)などのタイプ識別子を使う

演算子

Go言語では演算子で使用される基本的な種類は以下の通りです。

演算子の種類 概要
算術演算子 足し算や引き算を実行する
単項演算子(算術演算子) 数字定数の(+1)or(-1)を掛けること
二項演算子(算術演算子) 加算、減算、乗算、除算などを実行
比較演算子 左右の値の比較を行う演算子のこと
論理演算子 複数のbool型を比較して、bool型を返す

COBOLの代表的な種類

COBOLの代表的な種類見ていきましょう。ここでは指すCOBOLの種類とは主に『COBOLコンパイラ』を意味しております。IBM、日立といった大手メーカーの製品である汎用機に使用される『汎用COBOL』と様々な環境下で開発が可能な『オープンCOBOL』をそれぞれ見ていきましょう。

『汎用COBOL』
汎用COBOLとは汎用機(大型コンピュータ)で高性能なデータ処理を実現させるためにプログラムを組む際のプログラミング言語

『オープンCOBOL』
オープンCOBOLとはオープン系システム(様々な環境下で作成が可能な開放的なシステム)を開発するためのプログラミング言語

COBOLの代表的な種類6選を紹介している記事はこちら>>

IBM COBOL(汎用COBOL)

IBM COBOLとはIBM社が同社の製品であるIBM環境用に開発されたCOBOLコンパイラです。IBM製品の中でも主にIBM AIXとIBM z/OSをサポートします。同社の代表的な製品である『Enterprise COBOL for z / OS』において最新のz / Architectureを拡張してハードウェアの使用率を最大化し、CPU使用率を削減し、重要なアプリケーションのパフォーマンスを向上させます。

『IBM COBOL製品』
・Enterprise COBOL for z / OS
・COBOL for OS / 390&VM
・COBOL for AIX
・COBOL for VSE / ESA

IBM COBOLの公式サイトはこちら>>

日立COBOL(汎用COBOL)

日立COBOLとは日立製作所が同社の製品である日立環境用に開発されたCOBOLコンパイラです。最新版は『日立COBOL2002』となっておりCOBOL2002規格に対応し、Webテクノロジーとの共存を可能にするアプリケーション開発環境/運用環境です。JavaやXMLなどのWebテクノロジーと、COBOLプログラムを連携させる機能を提供しておりWebアプリケーションを構成する業務システムの部分に、実績のある既存COBOL資産を活用することができます。

『日立 COBOL製品』
・Developer(開発環境製品)
→COBOLアプリケーションの開発からテスト実行環境を提供
・Runtime(運用環境製品)
→開発したCOBOLアプリケーションを運用できる環境を提供
・Suite(開発・運用環境製品)
→開発から運用まで一貫してできる環境を提供

日立COBOLの公式サイトはこちら>>

Net COBOL(オープンCOBOL)

Net COBOLとは富士通社が同社の製品である富士通環境用に開発されたCOBOLコンパイラです。公式サイトにて『高い生産性で高品質なCOBOLアプリケーションの開発を支援』をキャッチコピーに掲げております。オープン系COBOLとしてクラウドや各種プラットフォーム、モバイルにも対応し、高い生産性で高品質なCOBOLアプリケーションの開発を支援する COBOL開発・運用ソフトウェアです。これまで数々のアップデートを行っており2002年に「.NET Framework対応」、2013年「Solaris(64)対応」などを実現しております。

『Net COBOL製品』
・Enterprise Edition
・Professional Edition
・Standard Edition
・Base Edition

Net COBOLの公式サイトはこちら>>

まとめ

COBOLを理解するために初心者でも分かるメリット、できること、基礎知識などを簡単に解説させていただきました。COBOLを一言で表すと『は事務処理コンピューターに用いる目的で使用される共通事務処理用言語』です。60年の歴史があり、プログラミング言語の中でもかなり古い部類に入りますが、2019年現在フォーチュン500企業の90%がCOBOLプログラムを使用しているという事実も発表されております。
日本においてもまだまだ金融系企業や行政のシステムにおいてCOBOLに頼らざる終えない時代は続きそうです。COBOLについてこの記事に記載されている最低限の内容については理解をしておくようにしましょう。

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