オープン系システム開発とは様々な環境下で作成が可能な開放的なシステム開発のであり、最も主要なシステムの分類です。オープン系システム開発のその歴史や古くから親しまれてきた汎用系開発との違いについて知らない方も多いのではないでしょうか?この記事ではオープン系システム開発を理解するために特徴や歴史から汎用系との違いなどを簡単に解説していきます。
『様々な環境下で作成が可能な開放的なシステム開発』
オープン系システム開発とは様々なメーカーやOSなどのデバイスや各種機材を組み合わせて、様々なネットワークを活用して開発することから多種多様な選択ができるシステム開発です。その名の由来は、これまで汎用系システム開発などの特定製品に対してのみ作動が可能な閉鎖的なシステムが多かったことから、様々な開発環境下で実現可能な開放的なイメージに合った名前としてオープン系システム開発と呼ばれるようになりました。
英語表記は“Open Systeml”
となっております。
※英語で表現される機会もあるため参考までに
またオープン系システム開発について、“オープン開発”や”オープン系”と略して表現する場合もあります。
オープン系システム開発の歴史を見ていきましょう。ここでは誕生の背景、加速する浸透状況について解説させていただきます。
日本のシステム開発は1980年頃まで汎用系システム開発という特定の製品に向けられたシステム開発が主流でした。1990年代になり、パソコンの普及と性能向上が凄まじいスピードで進んでいきました。そして1995年に阪神淡路大震災の影響もあり『インターネット元年』と言われる時代が到来します。これらが追い風となりこれまでの閉鎖的な環境依存をせざる終えなかったシステムをクライアントサーバシステムへとダウンサイジングが進んでいきました。これがオープン系システム開発の誕生の背景です。
従来のメインフレームなどの汎用系システム開発と比べて大規模なシステムを独自に用意せずともコストを抑えて顧客に合わせた開発環境にて実現できるオープン系システム開発の浸透は加速するばかりでした。2000年以降もオープン系システム開発にて使用出来るプログラミング言語は増える一方で年々多種多様な開発パターンが増加しております。また様々なシステム会社がこれまでのノウハウをパッケージ化しより低コストでお客様のニーズに合わせてシステム提供が出来るようになりました。
オープン系システム開発の特徴を見ていきましょう。ここでは開発環境、開発対象となるものについて解説していきます。
オープン系システム開発の特徴として開発環境は多種多様なパターンが存在します。採用する開発プロジェクトによってOSやデータベース(DB)、プログラミング言語は様々です。
開発環境にも相性というものは存在します。例えば、Windouw上での開発にはC#やVB.netなどのプログラミング言語が相性が良く利用機会が多いです。Linux上での開発においてはLAMP環境と呼ばれるLinux(OS)Apache(サーバ)MySQL(DB)PHP(言語)を組み合わせた開発環境が支持を集めております。
オープン系システム開発において、開発対象となるものは業務系アプリケーションが主とされております。業務系アプリケーションとは主に企業の業務を効率化するためのアプリケーション(システム)を意味します。受発注管理や顧客管理、給与管理などが例として挙げられます。お客様の業務環境に合わせた独自システムの開発が可能なオープン系システム開発はとても相性が良いとされております。
汎用系システム開発とオープン系システム開発の違いを見ていきましょう。
汎用系システム開発の特徴や歴史について解説された記事はこちら>>
汎用系システム開発では汎用機と呼ばれる大型のコンピュータを使用する必要があります。
汎用機も誕生当時の1970年頃は一つの大型コンピュータで従来のコンピュータに比べて処理性能が格段に高く官公庁や様々な大手企業に導入されておりました。(※現在でも主に金融系企業にて汎用機は根強く活用されています)上述のオープン系システム開発の歴史でもお伝えした通り、技術革新により全てのコンピュータは小型へ小型へと進化を遂げていったわけです。
汎用系システム開発では主にCOBOLというプログラミング言語が使用されています。COBOLの誕生は1959年まで遡ります。事務処理用に開発されたプログラミング言語として60年以上も使用されています。他にもPL/1やC言語、Javaなどが使用されます。
一方多種多様な開発環境が増え続けるオープン系開発ではプログラミング言語も増え続けております。知名度も高く無いものまで含めるならばその数は100以上と言われております。
主なプログラミング言語については以下ご参考にしてください。
大型コンピュータの汎用機と金融系企業は切っても切れない関係にあります。膨大なデータやノウハウを蓄積し続けた汎用機を古くの時代から採用する金融系企業は徐々にオープン系システムへの移行を実施しつつも、他業界に比べて圧倒的にそのペースは遅いのが現状です。汎用機は高性能で高速にデータの処理が可能なコンピュータであるため大量なデータを処理する必要の要素が多い業界であればあるほどまだまだ汎用機への依存度は高いということです。
WEB系システム開発とオープン系システム開発の違いを見ていきましょう。
Web系システム開発の特徴や歴史について解説された記事はこちら>>
Web系システム開発とは主にインターネット上に存在するWebサイトやSNS、掲示板、ECサイトなどのWebサービスを構築するために必要なシステム開発です。企業向けに業務系アプリケーションの作成を主とするオープン系システム開発と比べて、コンシューマ向け(不特定多数の利用者)にWeb系サービスの作成を主としております。Web上で目に見える画像やテキストを表示するだけでなく、見やすく使いやすくするために動きやレイアウトの処理の実施や、ユーザのストレス無くサービスを活用できるように通信性能を高めたりなど様々な開発要件があります。
Webサービス自体歴史が長いものではありませんのでイマドキという表現を各所でされておりますが、そのイマドキのWebサービスを作成する会社の成長は著しいです。Googleの検索エンジン、楽天のECサイト、FacebookのSNSこれら全てWebサービスです。コンシューマ向けのサービスが多いこともありWebサービスが世に浸透するとそれに比例してサービス提供企業の知名度も上がるのが特徴的です。
オープン系システム開発を理解するために特徴や歴史、汎用系やWeb系との違いについて解説させて頂きました。オープン系システム開発を一言でおさらいすると『様々な環境下で作成が可能な開放的なシステム開発』です。業務系のシステム開発において最も主要とされるオープンシステム開発の需要は現在でも増加傾向にあります。多種多様な開発環境が存在するオープンシステム開発はその分必要とされるポジションや役割も様々です。プログラマーであれば必ずと言ってよいほど携わる機会があるかと思いますので基本的なことは理解しておくと良いでしょう。