
会社員時代は社外の人と直接コミュニケーションを取らなかったという職種の方も、フリーランスとして独立した後には自分の代わりに社外とやり取りをしてくれる方はおらず、基本的に外部との交渉や連絡を自分自身で行う必要があります。
そんな時に必要になるのが「名刺」です。フリーランスで活動していく場合、名刺も自分で手配する必要があるのです。この記事では仕事を得るために名刺が必要な理由や、名刺に掲載すべき情報、作成方法などについて紹介していきます。
どんな仕事を生業にしていても、まずは仕事を獲得してこない限り何も始まらないフリーランスの世界。そのためにはまず、自分にはどんなことが出来て、どんな背景を持った人物なのかということを対外的に発信し、信頼を得て、仕事を獲得するということが必要になります。
その過程で必ずと言って良いほど必要不可欠なものが「名刺」なのです。
現代のビジネスシーンには欠かすことが出来ない名刺ですが、日本は世界で最も名刺を重要視する国だと言われております。
日本では初対面で挨拶する際にほぼ必ず名刺の交換を行いますが、欧米などでは名刺交換は別れ際だったり、別日に交換するというケースもあるそうです。
また、日本では様々な名刺に関するマナーが存在しますが、海外ではそこまで細かいルールは存在せず、メモがわりに使用する国も存在するようです。
それだけ日本では大切な役割を担う名刺。
名刺を持つことで以下のようなメリットがあります。
それでは実際に名刺を作成する場合、掲載するべき情報について紹介させて頂きます。これまで会社で用意されたテンプレートの名刺を使用していた人は、いざ自分で一から作るとなると「どんな情報を掲載したら良いか」「デザインはどうしようか」など色々と迷ってしまいますよね。
フリーランスとして自分をアピールし仕事を獲得する為には、以下の情報を掲載しておけば間違いないと思います。
職種によってはここがペンネームや芸名になる人もいると思います。ここは活動する際に実際に名乗る名前を記載するようにしましょう。複数の名前で活動している方はいくつかの名前を連ねて記載しても問題ありません。相手に混乱を与えないような記述を心がけましょう。
店舗型でビジネスを展開している方は屋号を用意しているケースが多いかもしれません。
屋号は開業の際に必ず必要になるものではなく任意である為、屋号なしでビジネスを行なっているフリーランスも多いのが実態です。
特にエンジニアやデザイナー、営業などフリーランスの大半を占める職種の方々は、おそらく個人名のみで活動しているケースが多いのではないでしょうか。
フリーランス(個人事業主)が屋号を持つメリットと決める上でのポイントはこちら>>
名刺を受け取った相手が「あなたに何ができるのか」判断するのが肩書になります。
名刺交換の際に瞬時に理解してもらえるよう、誰にでもイメージできるわかりやすく簡潔な言葉で記載する必要があります。一方で肩書には工夫の余地があるのも事実で、書き方ひとつで興味を持ってもらえる確率が格段に上がることもあります。
フリーランスの場合、自宅を拠点に活動している方も多いと思います。
もし自宅の住所を記載したくないという場合は、バーチャルオフィスを借りるという手もあります。また住所を記載した名刺と記載していない名刺の2パターンを用意し、渡す相手によって使い分けるという方法もあるでしょう。
最近はメールやSNSでのやりとりが増えてきているとは言え、現代でも「電話で話がしたい」という人が多いのも事実。まずは最低限自分の携帯電話の番号は記載した方が良いでしょう。また固定回線の番号があることで信頼度が向上することもあるので、金銭的に余裕がある方は自宅回線以外に仕事用の固定回線を用意するのも良いでしょう。
プライベートのメールアドレスではなく、ビジネス用を用意することを推奨します。
Gmailであれば無料で作成できるので、まずはフリーのメールアドレスでも問題ないと思います。信頼度向上のために独自ドメインのメールアドレスを取得することを検討しても良いでしょう。
意外と見落としがちなのがLINEやFacebookなどの情報を掲載するか否かということです。
まだビジネスでは一般的ではないSNSでのやりとりですが、取引先の業種によってはよりスピーディーにコミュニケーションが取れるツールとして、各種SNSやメッセージアプリを使用している場合もあるでしょう。
もし自分の実績をアピールするWEBサイトや、人となりを伝えるのに有効なブログなどを運営している場合、これらを名刺に掲載することでコミュニケーションを円滑にする効果があるでしょう。QRコードを掲載したり、「〇〇と検索」などと記載したり名刺への掲載方法は他要素とのバランスを見て決定しましょう。
個人でロゴを持っている方は少数かと思いますが、あなたを象徴するシンボルがあるなら掲載することをおすすめします。ロゴがあることで相手に与えるインパクトが大きくなり、あなたの印象を強く残すことができます。
ロゴ同様、インパクトを残すというメリットの他、後からあなたの顔を想い出してもらいやすくなったり、親近感が湧いて連絡をしやすくなったり、様々なメリットが似顔絵や顔写真には存在します。もしも用意することが出来、掲載することに抵抗がないのであれば掲載することをおすすめします。
名刺を作成するに当たって、自分で作成するか誰かにお願いするかをまずは決めなくてはなりません。今はWEBサービスなどを利用し、自分で簡単におしゃれな名刺を作成することもできます。しかしデザインやレイアウト、紙質や形などにオリジナリティを出したいという方は一から作成した方が満足のいく名刺が仕上がると言えます。
デザインスキルは無いけど自分で名刺を作成したい場合、以下のようなWEBサービスを利用することをおすすめします。
■BiziCard
https://www.bizicard.net/service/
BiziCardアプリをダウンロードし、スマートフォン上で写真やテキストを配置し名刺作成ができるサービスです。豊富なフレームがあり、ベーシックな名刺であればあっという間に作成可能。印刷がコンビニで手軽にできるというのもポイントです。
■ランサーズ
https://www.lancers.jp/
国内最大級のクラウドソーシングサービスを展開しているランサーズ。名刺作成を行ってくれるクリエイターが多数登録しており、数万円〜依頼することが可能となっております。
データ作成までを依頼し、印刷はネットプリントサービスなどに別で依頼をかける必要があります。
デザインやレイアウト、その他細かいオーダーがあって、こだわりの一枚を作りたいという場合は、それなりに予算が必要となりますがプロのデザイナーやデザイン会社に制作を依頼しましょう。
■アイミツ
https://imitsu.jp/top/printing/
名刺作成を依頼できるデザイン会社や印刷会社に一括見積もりを取ることができるサービスです。印刷まで一式でお願いできるため労力がかからず、高品質な名刺が仕上がる可能性が高いです。料金は10万円〜となる場合が多いでしょう。
一から自分でデザインを創り出そうと考えると思いの外うまく行かないものです。
プロのデザイナーでも、最初は誰かのデザインを真似るもの。すでにあるデザインを参考にするのがクオリティの高い名刺を作る近道です。
名刺のデザインを参考にしたい時は以下のサイトを見ると良いでしょう。
自分で作成する場合でも業者に依頼する場合でも理想の完成イメージを明確にしておくことは大切です。実際に作成に取り掛かる前に、予め参考にしたいデザインをいくつかピックアップしておくことをおすすめします。
■ピンタレスト
https://www.pinterest.jp/
おしゃれな名刺の写真が数多く掲載されているサイトになります。アカウントを作成し、「スタイリッシュ 名刺」などあなたが思い浮かべるキーワードを検索してみてください。
名刺に限らずクリエイティブな写真がたくさん閲覧できるサービスなので、名刺以外のものからインスピレーションを受けることがあるかもしれません。
フリーランスとして活動していくにあたって、名刺は必ず用意しておくべきアイテムの一つと言えるでしょう。とりあえず最低限の情報が掲載されているシンプルなもので良いという人もいれば、自分をアピールするために最大限の工夫を凝らすという人もいるでしょう。どちらにせよ名刺はあなたのビジネス上での「顔」になる大変重要なアイテムなので、目的や渡す相手などを踏まえて一度深く考えてみることをおすすめします。