案件評判
フリーランスが把握すべき国民年金の加入手続きから支払い方法を解説

フリーランスが把握すべき国民年金の加入手続きから支払い方法を解説

最終更新:2021/10/13 投稿:2019/10/07
フリーランスが把握すべき国民年金の加入手続きから支払い方法を解説

フリーランスとして活動を開始する際には、会社員時代に加入していた厚生年金に引き続き加入することはできず、国民年金へ切り替えを行うことが必要になります。そもそも国民年金とはどのようなものなのか、そして厚生年金とはどのような違いがあるのか。正しく理解した上で年金の支払いを行なっていけるよう、詳しく解説させて頂きます。

フリーランスはまず国民年金へ加入が必要

国民年金の加入義務がある人は、日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の方が当てはまります。会社などに勤めている人は厚生年金保険や共済組合に加入するため、別途で国民年金を納める必要はありません。これは国民年金の厚生年金に支払われた金額の中から、加入しゃに変わって国民年金へ必要な負担額を支払っているからです。
一方でフリーランスの場合は、厚生年金に加入することができないため、国民保険に加入し、保険料を自分で納める必要があるのです。
もし会社員から独立してフリーランスになる場合、厚生年金から国民年金への切り替え手続きが必要になるので、お近くの役所で手続きを行いましょう。

フリーランス向け案件はこちら>>


国民年金と厚生年金の違い

フリーランスが加入するものが国民年金で、会社員が加入するのが厚生年金。加入対象者としては大まかにそれで正しいのですが、他にも国民年金と厚生年金には様々な違いがあります。それぞれの内容を理解した上で、加入手続きを進めましょう。

国民年金とは

国民年金は日本の国民年金法等によって規定されており、一般的に「基礎年金」と呼ばれるものになります。先ほどもお伝えした通り20歳以上60歳未満の全国民が加入するルールとなっており、国民年金の保険料は定額で設定されています。
ちなみに平成30年度は月額16,340円であることが厚生労働省から発表されました。また翌年31年度については16,410円であると発表されています。このように毎年保険料が変わってくるのが国民保険の特徴となります。

厚生年金とは

厚生年金保険は国民年金に上乗せされて給付される年金になります。年金を受給するタイミングには基礎年金となる国民年金の金額に厚生年金の金額が追加された合計金額を受け取ることになります。厚生年金の加入対象者は会社員になります。ただしフリーランスとして活動している場合でも、従業員が5人以上いる場合、加入が必須となります。
厚生年金の保険料は、毎年4月〜6月の給与を元に計算した金額(標準報酬月額)と賞与に対して、共通の保険料率をかけて計算します。ちなみに厚生年金の保険料は会社と本人が半分ずつ負担することになっています。(労使折半)

国民年金が免除される場合がある

基礎年金と呼ばれ、20歳以上60歳未満の全国民に加入義務がある国民年金ですが、例外として保険料が免除になる場合があります。ある一定の条件を満たせば「全額免除制度」というものが適用され、保険料が全額免除されるとともに、年金の受給資格と年金額の1/2が保証されます。つまり1年間の全額免除の申請が通った場合、半年分の年金額については収めているものとして認めてもらえるということになります。
全額免除制度を受けるための条件は、前年所得が以下の金額以下である必要があります。

全額免除を受けるための前年所得

(扶養親族等の数 + 1) × 35万円 + 22万円=〇〇円

例えば妻と子供1人の3人家族の場合、

(2+ 1) × 35万円 + 22万円=127万円

つまり、前年の所得が127万円以下の場合であれば、全額免除の対象になるということになります。
ちなみに全額免除以外にも何種類か免除の条件が用意されています。

■3/4免除
78万円+(扶養家族数×38万円)+社会保険料控除

■半額免除
118万円+(扶養家族数×38万円)+社会保険料控除

■1/4免除
158万円+(扶養家族数×38万円)+社会保険料控除

フリーランスで働いていると手持ちの現金が足りず、つい国民年金の支払いが後回しになってしまい「未納」の状態になってしまう場合があります。未納の場合、国民年金を貰うための25年加入の資格期間には入りません。「免除申請」の場合、免除期間も資格期間に含まれるため、放置して未納にするのではなく、しっかりと申請を行なって少しでも救済措置を受けられるようにしましょう。

フリーランスが国民年金に加入するための手続き

厚生年金から国民年金に切り替えを行う場合、住民票のある市区町村役所の窓口で行います。この手続きは退職後14日以内に行うようにしましょう。
必要な書類は年金手帳、印鑑、身分証明書、退職証明書、離職票、健康保険喪失証明書などになります。前の職場から発行して貰う必要がある書類もあるため、退職後14日以内に国民年金への切り替え手続きがあることを伝え、優先的に発行して貰うようにしましょう。
一般的にそれらの書類は郵送によって送られてくるため、少し余裕を持って対応してもらわないと間に合わない場合があります。特に退職後すぐに連休に入る場合などは注意が必要です。

フリーランスの国民年金支払方法

フリーランスの国民年金の支払い時期と支払い方法にはいくつかの選択肢があります。まず支払い時期については毎月支払う方法、半年ごとに支払う方法、1年まとめて支払う方法の3パターンがあります。この時注目したいのが1ヶ月あたりの支払い税額についてで、長期間分をまとめて支払うほど、1ヶ月分の税額はお得になります。
もし、手元資金に余裕があるのであれば1年分をまとめて支払う方がお得になり、最大で年間4,000円以上も割引されます。また支払い方法によっても納付額が異なり、現金納付を行うよりも口座振替で支払いを行なった方が割引率が高くなります。

1ヶ月分/6ヶ月分/1年度分
ー/保険料額/割引額/保険料額/割引額/保険料額/割引額
毎月納付/16,260円/—/97,560円/—/195,120円/—
現金納付(前納)/—/—/96,770円/790円/191,660円/3,460円
口座振替(前納)/16,210円/50円(早割)/96,450円/1,110円/191,030円/4,090円

現金納付

郵送で届いた国民年金保険料納付書を使用し、金融機関、郵便局、コンビニにて現金で支払いを行う方法です。一番シンプルな方法で、事前に手続きなどはいらない方法ですが、自分で納付期限の管理を行なっておかないと期限を過ぎてしまう可能性があります。カレンダーに入れておいたり、リマインダーに登録しておくなど、忘れないような工夫が必要です。

口座振替

国民年金保険料納付書に同封されている「口座振替納付申出書」と「口座振替依頼書」に必要事項を記入し、年金事務所や金融機関に提出することで口座振替での支払いに切り替えることができます。現金納付よりも税額が割引されるメリットや、納付期限を過ぎてしまうというトラブルを防止できます。引き落とし先口座に十分な預け入れがあるかを確認するようにしましょう。

クレジットカード

年金事務所に直接申し出を行うことで、クレジットカードでの年金支払いに切り替えることが可能です。この支払い方法はクレジットカード会社によってはポイントが貯まるためお得です。支払い時期は毎月、6ヶ月、1年から選択することが可能となっています。

電子納付

郵送で届いた国民年金保険料納付書を使用し、Pay-easy(ペイジー)対応のATMなどで支払いすることが可能です。こちらは現金納付で支払いを行なっている人で、金融機関の営業時間内に行くことができない人にとっては便利な方法になります。

国民年金に加えて加入すると安心な制度

この先、年金制度が先細りして行く未来が見えている現代、老後の資金は自分で蓄えておく必要があります。そのためには国民年金だけでは無く、別の制度も併用していくことをおすすめします。またこれらの制度の中には支払う費用を税金控除の対象として認められているものがあるため、節税対策にも有効と言えます。

フリーランスの得する節税対策と受けるべき所得控除についてはこちら>>

付加年金制度

付加年金制度とは、国民年金の月額に追加で400円を納めることで、老齢基礎年金に付加年金が上乗せされます。国民年金単体だと、会社員が加入する厚生年金と違い、支払う金額が少額な分、将来もらえる金額も少なくなります。

例えば、20歳から60歳までの40年間、国民年金に上乗せで付加年金の保険料を支払い続けた場合。

400円×12ヶ月×40年=192,000円
となります。

この場合、65歳以降96,000円が年金に加算されて毎年支給されるのです。

つまり2年間で元が取れて、翌年以降はずっとプラスが増え続けるというお得な制度になっています。
国民年金加入の際に、検討してみてはいかがでしょうか。

国民年金基金制度

付加年金と似た制度で、国民年金基金制度というものがあります。こちらも厚生年金との差額を埋めるために上乗せして払う年金保険料のことで、毎月の掛け金を自分で選ぶことができます。また途中で掛け金を変更することも可能ですので、その時の財政状況に合わせて無理なく将来への備えができると言えます。
注意点としては、一度国民年金基金制度に加入すると自己都合での脱退ができないため、事前に理解しておくことが必要です。また制度上重複している付加年金制度との併用はできないので、気をつけましょう。

確定拠出年金(iDeCo)

IDeCoという名称で知られている確定拠出年金です。こちらは個人向けの自分で作る年金制度になります。加入者が自ら定めた金額を毎月積立することで、それらが様々な金融商品で運用され、60歳以降に年金、または一時金という形で受け取ることができるサービスです。こちらも積み立てている金額が全額控除対象になるため、節税対策にはとてもお得なサービスになっています。

まとめ

フリーランスとして活動する場合、まずはこれまで加入していた厚生年金から国民年金への切り替えを行うことが必要です。また切り替え後も支払いを忘れてしまい「未納」となってしまわないように、国民の義務であることをしっかりと理解して、正しく支払いを行うようにしましょう。

案件評判
常駐する会社が、実際どんな会社で、どんな案件が動いているか詳しく知りたい。
これは常駐形態で働く方なら誰もが感じていることだと思います。 常駐の働き方をされている方は是非一度「案件評判」で案件についての評判をチェックしてみてください。