TacitとはWebデザインスキルに自信のない方でも魅力的なグラフィックデザインを実現するためのCSSフレームワークです。開発者「Bootstrap」やその他CSSフレームワークを使用する中で不満に感じた悩みを解決するために設計されました。この記事ではTacitを理解するために初心者でも分かる概要、特徴などの基礎知識について簡単に解説をしていきます。
TacitとはWebデザインスキルに自信のない方でも魅力的なグラフィックデザインを実現するためのCSSフレームワークです。またデザインスキルのある方でもCSSに工数を割きたくないという場合にはTacitの出番です。Tacitを使用すればグラフィックデザインを採用した美しいWebサイトを簡単に作成することができます。特徴として「グラフィックデザイン」「no class(classを使用しない)」「シンプルで拡張が無い」などが挙げられます。
CSSとはWebページの見た目・デザインを調整するためのスタイルシート言語です。正式名称は『Cascading Style Sheets(カスケーディング・スタイル・シート)』であり、それぞれの頭文字をとって略称した呼び名で親しまれております。CSSの登場によってHTMLで作成されたWebページ上での表現をより高度に装飾ができるようになりました。具体的には文字のサイズや色、レイアウトなどの表示スタイルなど細かな編集まで手が届くようになったのです。CSSはファイル名に拡張子の『.CSS』を付けることで、コンピューターにCSSファイルとして認識されます。
フロントエンドとはWebサービス利用者の目に触れる部分を表します。よってフロントエンドとはWebサービスの利用者が目に触れる部分のシステムを開発することです。フロントエンドの開発を行うエンジニアを『フロントエンドエンジニア』と呼びます。システム業界では”見える部分を作る人”と呼ばれております。主な業務内容としてWebブラウザ上で見ることが出来るページや機能の作成など挙げられます。その際に利用される技術要素としてHTML、CSS、JavaScriptなどがあります。フロントエンド側がサーバーにプログラム実行のリクエストをすることで。サーバから必要な情報を受け取りWeb上にリクエストした内容が表示されます。
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Tacitの読み方は『タシトゥ』です。Tacitを直訳すると「暗黒」という意味があるそうです。名前の由来については調査をしたところ参考になるものは出てまいりませんでした。
Tacitは2015年4月に『Tacit v0.1.0』を誕生させました。Tacitの開発者はロシアの『Yegor Bugayenko』というプログラマーです。XDSDと呼ばれる非常にユニークな方法論を備えたソフトウェアエンジニアリングおよび管理プラットフォームであるZerocracyの創設者兼CEOという経歴の持ち主です。Tacitが次のナンバリングバージョン『Tacit v1.0.0』をリリースしたのは2017年のことです。現在も「v1」の中でバージョンアップを繰り返しており細かな修正を加えながら進化を続けております。2021年現在最新バージョンは『Tacit v1.5.5』です。バージョンアップについて簡単に以下の年表にまとめておりますのでご覧ください。
年代 | 内容 |
2015年4月 | 『Tacit v0.1.0』 ※最初の公式リリース |
2015年5月 | 『Tacit v0.5.0』 |
2017年8月 | 『Tacit v1.0.0』 |
2018年6月 | 『Tacit v1.3.0』 |
2019年5月 | 『Tacit v1.5.0』 |
Tacitの特徴を見ていきましょう。
Tacitはグラフィックデザインを採用しているという特徴があります。グラフィックデザインを専門とするCSSフレームワークは珍しく、Tacitにはそのノウハウが詰め込まれております。グラフィックデザインに基づくWebサイトを作成した方にはピッタリです。
Tacitはno class(classを使用しない)という特徴があります。例えばbootstrapではclassを使用してデザインを適応します。一方でTacitはclassを使用せず、読み込むだけで対応するタグにスタイルを適応していきます。このような手法を「no class」と呼びます。
Tacitはシンプルで拡張性が無いという特徴があります。開発者である『Yegor Bugayenko』のその他CSSフレームワークへの思いとして「bootstrapは小さなウェブアプリには大きすぎる」「デザインの原則にどれだけ従っても、とにかく独自のCSSスタイルになる」「内部設計は乱雑」などがありました。これらの悩みを解決すべくクラスのないダミーのためのシンプルなCSSフレームワークを開発しました。
Tacit以外のCSSフレームワークを見ていきましょう。
MilligramとはWebサイトのベースデザインを構築するためのCSSフレームワークです。0ベースでWebサイトを開発する際に素早く、最低限のスタイルを提供することを目的に丹生しました。よって限りなく軽量なマイクロフレームワークでありそのサイズは縮小してgzip圧縮をすると、ライブラリ全体が2kb未満となります。いずれもWebサイトのパフォーマンスを最大限に引き上げるために設計されたものです。その他の特徴として「デザインセンスが高い」「グリッドシステム対応」などが挙げられます。
Skeletonとはシンプルで羽のように軽いWebサイトのベースデザインを構築するためのCSSフレームワークです。わずか400行のコードにも関わらず「タイポグラフィ」「フォーム」「メディアクエリ」などWebサイト制作に必要な全てを用意しています。モバイルファーストで「Milligram」のように最低限の機能を持ち合わせたマイクロフレームワークとして小規模なプロジェクトで使用することに向いております。特徴として「マイクロフレームワーク(限りなく軽量)」「素早くサイト制作を開始できる」「グリッドシステム対応」などが挙げられます。
Tachyonsとは可能な限り少ないCSSでWebサイトを構築するためのユーティリティファーストのCSSフレームワークです。モバイル優先で設計されていることから高速な読み込みで完全なレスポンシブとなっており、ユーザーがコンテンツを簡単に読めるように考慮されています。特徴として「マイクロフレームワーク」「カスタマイズと拡張が簡単」「豊富なコンポーネント」などが挙げられます。Webサイトがデバイス問わず高いパフォーマンスを維持するために一躍をになっております。
Tacitを理解するために初心者でも分かる概要、特徴などの基礎知識について簡単に解説させていただきました。Tacitを一言で表すと『Webデザインスキルに自信のない方でも魅力的なグラフィックデザインを実現するためのCSSフレームワーク』です。特徴として「グラフィックデザイン」「no class(classを使用しない)」「シンプルで拡張が無い」などが挙げられます。Tacitについてこの記事に書かれている最低限の内容は理解をしておくようにしましょう。