VB(Visual Basic)はマイクロソフト社が開発・提供するプログラミング言語です。1991年の登場から度重なるアップデートを行い、2020年現在Visual Basic 2019まで迎えております。BASICベースのプログラミング言語として初心者でも覚えやすく使いやすいという特徴があり多くの方に愛されております。この記事ではVB(Visual Basic)を理解するために初心者でも分かる特徴、歴史、VB.netとの違いや関係などを簡単に解説していきます。
VB(Visual Basic)とはマイクロソフト社が開発・提供するプログラミング言語です。VBは
マイクロソフト社が開発した『Visual Studio』に組み込まれており、様々なアプリケーションの開発に活用されております。
VBは正式名称であるVisual Basicの名前にもあるとおり、『BASIC』というプログラミング言語から派生したマイクロソフト社のQuickBASICを拡張したものとして1991年に登場しました。BASICが初心者向けのプログラミング言語であることからVBも初心者向けとして扱われることが多かったようです。
VBは30年近い歴史があることから数多くのバージョンアップを繰り返しており、2020年5月現在ではVisual Basic 16.0が最新バージョンとなっております。VBの特徴として『初心者でも覚えやすく使いやすい』『RADの先駆者』などが挙げられます。
VBとVB.netとは基本的に同じプログラミング言語です。バージョンの違いによって呼び方が異なります。VB.NETとはプログラミング言語であるVB(Visual Basic)を.NET Frameworkにおいて使用する際の組合せを表現する名称を意味しております。VBは度重なるアップデートを繰り返しておりVB6.0がリリースされた際に.NET Frameworkに対応するようになりました。
一時は.NET Frameworkへの対応をわかりやすくするために正式名称を『VB.NET』とされましたが、2005年版より『VB 2005』というように以前通りの名称に戻っております。この名称変更の形跡も一般の方々を戸惑わせた理由の一つかもしれません。
VB | プログラミング言語 |
VB.NET | プログラミング言語+フレームワーク |
VBの読み方は『ヴイビー』です。このように正式名称のVisual Basicを略称して「VB
(ヴイビー)」と呼ぶのが一般的となっております。
VBはマイクロソフト社の開発によって1991年に誕生しました。同社が1975年に開発した『Microsoft BASIC』が前身のプログラミング言語となっており、BASIC系の派生言語と言われております。Microsoft BASICまで遡ると50年以上のプログラミング言語の中でも古く歴史のある言語となります。
実はこのMicrosoft BASICの開発はマイクロソフト社の創業者であるビル・ゲイツ氏が中心となっておりました。Microsoft BASICはその後、『QuickBASIC』によって統一され進化を遂げた後に、『QuickBASIC×Ruby』でVisual Basicの開発を行いました。Visual Basicは1998年にリリースされたVisual Basic6.0を最後のバージョンとして以降『.NET Framework』へと対応を実現しVB.netと一時的に名称変更をしました。
その後2005年版より『VB 2005』というように以前通りの名称に戻っております。VBは以下の表の通り、数々のバージョンアップを繰り返し、今も尚、改良と成長を続けるプログラミング言語として親しまれております。
年代 | バージョン | 備考 |
1991年 | Visual Basic 1.0 | VBの初版。日本では発売されず。 |
1992年 | Visual Basic 2.0 | |
1993年 | Visual Basic 3.0 | |
1995年 | Visual Basic 4.0 | |
1997年 | Visual Basic 5.0 | |
1998年 | Visual Basic 6.0 | |
2002年 | Visual Basic .NET | .NET Frameworkに対応開始 |
2003年 | Visual Basic .NET 2003 | .NET Framework 1.1 に対応。 |
2005年 | Visual Basic 2005 | .NET Framework 2.0 に対応。 |
2008年 | Visual Basic 2008 | .NET Framework 3.0 に対応。 |
2010年 | Visual Basic 2010 | .NET Framework 4.0 に対応。 |
2012年 | Visual Basic 2012 | .NET Framework 4.5 に対応。 |
2013年 | Visual Basic 2013 | .NET Framework 4.5.1 に対応。 |
2015年 | Visual Basic 2015 | .NET Framework 4.6 に対応。 |
2017年 | Visual Basic 2017 | |
2019年 | Visual Basic 2019 | .NET Core対応に重点を置く。 |
VB(Visual Basic)はVisual Studioに組み込まれております。共にマイクロソフト社が手掛ける製品でVBはプログラミング言語、Visual StudioはVisual Basic(VB)やC#向けの統合開発環境(IDE)です。Visual Studioには開発をする上で必要な全て「コードエディタ」「コンパイラ」「デバッガ」などの様々なツールが集約されております。
Visual Studioの公式サイトはこちら>>
Visual Studioの特徴や機能などを解説している記事はこちら>>
VB(Visual Basic)の特徴・メリットを見ていきましょう。
VBはBASICという初心者向けの手続き型プログラミングをベースに作成されてます。初心者でも覚えやすく使いやすい仕様になっていることが特徴でありメリットの一つです。そのため初めてプログラミングに携わる方にもオススメのプログラミング言語となっております。正式名称のVisual BasicにBASICという言葉が使用されている理由はここに繋がります。
VBはRADの先駆者という特徴があります。RADとは『Rapid Application Development』の略称で高速アプリケーション開発という意味があります。RADを採用していることによってVBを扱うプログラマはコーディングする際に作業工数を軽減できるというメリットがあります。
変数では一般的に宣言、代入、参照を覚えておく必要があります。
VBで変数の宣言を行う場合にはDim文を使用します。
VBでは組み込み型とリテラル型の大きく分けて2つを覚えておく必要があります。
データ種類 | データ型 | サイズ | 備考 |
整数型 | byte | 1byte | 0 ~ 255 (符号なし) |
integer | 2byte | -32,768 ~ 32,767 (符号付き) | |
long | 8byte | -2,147,483,648 ~ 2,147,483,647 (符号付き) | |
浮動小数点型 | single | 4byte | ±3.402823E38 ~ ±1.401298E-45 |
double | 8byte | ±1.79769313486232E308 ~ ±4.94065645841247E-324 | |
通貨型 | currency | 8byte | -922,337,203,685,477.5808 ~ 922,337,203,685,477.5807 |
論理型 | boolean | 2byte | true or false |
文字型 | string | 8byte | 文字列 |
日付型 | date | 2byte | 日付と時刻 |
オブジェクト型 | object | 16byte | オブジェクト参照するデータ型 |
バリアント型 | variant | 4byte | あらゆる種類の値を格納可能 |
演算子では算術演算子、比較演算子、代入演算子、条件演算子、連結演算子、論理演算子、シフト演算子、を覚えておく必要があります。
演算子の種類 | 概要 |
算術演算子 | 足し算や引き算を実行する |
比較演算子 | 大小や等しいかなどの比較を実行する |
代入演算子 | 「=」のことで左辺を右辺に代入を実行する |
条件演算子 | 条件文と同等の意味があるが、文ではなく値を持つ式 |
連結演算子 | 複数の文字列を結合して 1つの文字列にする |
論理演算子 | 真と偽の二値からなる真偽値に対して演算を実行する |
ビットシフト演算子 | ビットをずらす演算子 |
制御文ではwhile文、for文、if文、break文を覚えておく必要があります。
VB(Visual Basic)の代表的なフレームワークを見ていきましょう。
.NET Framework(ドットネットフレームワーク)とはC#に活用されるマイクロソフト社によって開発されたアプリケーション開発・実行環境用フレームワークです。.NET Frameworkは業界において度々『.NET(ドットネット)』と略称して呼ばれることがあります。.NET Frameworkは『共通言語ランタイム』『基本クラスライブラリ』『フレームワーク』の3つで構成されております。
.NET Frameworkの公式サイトはこちら>>
.NET Frameworkの特徴・機能などを解説している記事はこちら>>
VB(Visual Basic)を理解するために初心者でも分かる特徴、歴史、VB.netとの違いや関係などを簡単に解説させていただきました。VBを一言で表すと『BASICベースのRADの先駆者であるプログラミング言語』です。VBの特徴をおさらいすると『初心者でも覚えやすく使いやすい』『RADの先駆者』などが挙げられます。VBについてこの記事に記載されている基本的な内容については最低限理解しておくようにしましょう。