LAMP環境という言葉は今やシステム業界に携わる誰もが耳にしたこのある人気のオープンソース系ソフトを組み合わせた開発環境のことです。WebエンジニアであればLAMPの意味を知らないということはあってはなりません。世界で人気を集めるオープンソース系ソフトを活用していることからLAMP環境に関するノウハウは膨大に存在します。この記事ではLAMP環境を理解するために各頭文字の意味や特徴、LAMPの類似環境などを簡単に解説していきます。
『Webアプリケーション開発環境における人気オープンソース系ソフトの組み合わせ』
LAMP(ランプ)環境とは人気のオープンソース系ソフトであるLinux(OS)、Apache(Webサーバ)、MySQL(データベース)、PHP(プログラミング言語)それぞれの頭文字をとって組み合わせた開発環境のことです。動的なコンテンツを含むWebサイトの構築に適しており人気のある開発環境の一つとなっております。LAMP環境は全てオープンソースのソフトを活用するため開発のコストを抑えられるという点や汎用性が高いという特徴があります。
LAMPの各要素について見ていきましょう。
Linuxとは無償公開されるオープンソースのOSのことです。Unix系のオープンソースOSとして誕生しその起源は1991年まで遡ります。オープンソースの特徴として誰でも改良が可能という点が挙げられます。自由度が高く様々な開発に使用されております。OSには「Windows」、「MacOS」などが有名どころとして挙げられますが、これらは個人用PCに使われるのに対し「Linux」はインターネットを構成するサーバーに使われることが多いです。主にネットワーク上で様々な機能やサービスを提供するサーバーコンピュータ向けに利用されております。
Apacheとは世界的に利用者数が最も多いアプリケーションサーバーの一種です。主にPHPによるプログラムに用いられます。ApacheはApache Software Foundation(アパッチソフトウェア財団)が開発元となっております。正式名称はApache HTTP Server(アパッチ エイチティーティーピー サーバ)です。特徴としてCMSを利用する際にPHPデータベースと連携がしやすいことや20年以上の運用実績と改良による高い信頼性などが挙げらます。
MySQLとは世界トップシェアを誇るオープンソースのデータベースです。オープンソースであるため無料で利用できるという特徴があり、多くの企業がLAMPと呼ばれるLinux、Apache、MySQL、PHPで組み合わせた開発環境にて採用をしております。特徴としてストレージエンジンという高性能な独自のエンジンが採用されており処理能力が早いだけでなく、拡張性と柔軟性が高いことも人気の理由です。
PHPとは動的にWebページを生成することができるオープンソースのサーバーサイド言語です。HTMLに埋め込むことが出来ることからWebシステム開発で使用される機会が多いです。その起源は1995年まで遡ります。開発者はラスマス・ラードフ氏です。特徴として動作確認が簡単であることやHTMLの中で簡単にコードを動かせるといったことが挙げられます。またLAMP環境における”P”は『Perl』や『Python』で対応する場合もあります。
LAMPの特徴を見ていきましょう。
LAMP環境はオープンソースのソフトを組み合わせて開発環境の構築をするため、コストを最小限に抑えられるという特徴があります。一方でオープンソースには無保証というリスクを背をわなければならない側面も存在します。部分的にサポートサービスの提供を受けるなど工夫をしてLAMP環境の弱みを補う企業も多いです。
LAMP環境は汎用性が高く特定の企業の製品に依存しにくいという特徴があります。例えば特定の企業のデータベース製品を使う場合、通常はその会社の製品を使わないとライセンス料が割高になってしまうことや、契約に関する縛りが設けられることが一般的です。LAMPでは各企業が提供する製品や数多くのフリーのソフトウェアを比較的自由にカスタマイズしていくことが出来るという特徴があります。
LAMP環境は上記でも説明の通り、コストを最小限に抑えられることや汎用性が高いことから数多くの企業がこの開発環境を採用しております。そのためLAMPでの開発経験のあるエンジニアは重宝され、市場価値が高いです。また開発事例も増え続けているため、ノウハウが多数存在することも特徴の一つです。
LAMPと類似の開発環境について見ていきましょう。
XAMPP(ザンプ)環境とはウェブアプリケーションの実行に必要なオープンソース系ソフトをパッケージとしてまとめたものです。その名の由来はWindows、Linux、SolarisなどのクロスプラットフォームをXと表し、Apache(Webサーバ)、MariaDB(データベース)、PHP(プログラミング言語)、Parl(プログラミング言語)それぞれの頭文字をとって組み合わせ誕生しました。通常、ウェブアプリケーションの開発環境を構築する際には各ソフトウェアを個別に用意する必要がありますが、XAMPPの場合にはパッケージ化されているため無料で手間を掛けること無く準備が出来ることから人気を集めております。このようなことから特徴として学習・開発に専念できるということが挙げられます。
LAMP | XAMPP | |
ソフトのインストール | 個別 | 一括 |
バージョン管理 | 各ソフト単位で管理 | 各ソフト一律に固定 |
WISP(ウィサプ)環境とはマイクロソフト社が提唱したLAMP環境に対抗するウェブサイト構築のための開発環境のことです。その名の由来はWindows(OS)、IIS(Webサーバ)、SQLServer(データベース)、PHP(プログラミング言語)それぞれの頭文字をとって組み合わせ誕生しました。WISA(ウィサ)とは上記の環境においてプログラミング言語をASP.netに置き換えたものです。クラウドプラットフォームへの移行が進む昨今はWISP/WISAに関する積極的な推進はマイクロソフト社自身も行っておらず過去のソリューションとなりつつあります。
LAMP | WISP/WISA | |
OS | Linux | Windows |
LAMPを理解するために各頭文字の意味や特徴、LAMPの類似環境などを簡単に解説させて頂きました。LAMPを一言で表すと『Webアプリケーション開発環境における人気オープンソース系ソフトの組み合わせ』です。LAMP環境は採用している企業も多数存在するのでこの環境での開発経験を保持すると市場価値も高まります。オープンソースの組み合わせで気軽に導入できることや採用している企業が多くノウハウが多数存在することから今後も重宝されるに違い有りません。LAMPについてここで記載されている最低限の内容は理解しておくようにしましょう。