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精算幅を理解する!超過・控除に関する精算方法を複数のパターンを解説

精算幅を理解する!超過・控除に関する精算方法を複数のパターンを解説

最終更新:2021/08/05 投稿:2019/12/01
精算幅を理解する!超過・控除に関する精算方法を複数のパターンを解説

フリーランスの方ならば必ず理解をしておかなければならないのが精算幅についてです。IT業界(主にSES)特有の言葉で業務委託での就業をする際の契約時に定められます。この精算幅の言葉の意味を正しく理解し、安心して契約を進められる為にも説明をさせていただきます。この記事では精算幅を理解するために超過・控除に関する精算方法を複数のパターンについて解説していきます。

精算幅とは

精算幅とは業務委託の契約において基本単価に対する基準時間を設けて、そこに上限時間と下限時間を設定することでその時間幅を意味します。上限設定時間を超えた場合に超過時間に対しての報酬を精算、下限設定時間を下回った場合に控除時間に対しての報酬を精算します。これらは全て月間の総稼働時間を元に締め日を迎えてから計算をし支払いサイトを元に対象の入金日に精算がされます。

支払いサイトにおける注意すべき入金のタイミングや注意点について解説された記事はこちら>>

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精算方法について

精算方法について解説をします。基本的な精算方法は前述のとおり契約時に基本単価に対する基準時間に上限時間と下限時間を設定します。その上で契約時に定められた基本単価と設定された上限時間と下限時間にそれぞれ割って超過金額及び控除金額の設定を行うことをします。これを上下精算と呼びます。この上下精算と呼ばれる精算方法が業界では一般的です。

【上下割精算計算例】
基本単価:600,000円/月
上限時間:180h
下限時間:140h

600,000円(基本単価) ÷ 180h(上限時間) = 3,333円(超過金額)
600,000円(基本単価) ÷ 140h(下限時間) = 4,285円(下限金額)

この精算方法については契約先の顧客によってルールが様々ありますので一通りの精算方法について説明をさせていただきます。

超過・控除

超過・控除とは契約時に定められた基本単価に対する基準時間を上回るまたは下回るなどの場合に適切な報酬を精算するために設けられたものです。

超過精算
契約時に定められた基本単価に対する基準時間を実稼働時間が上回った場合に精算されるもの

超過精算に関する計算例

<前提>
基本単価:600,000円
上限時間:180h
超過金額:3,330円/1h(※10円未満切り捨て)
フリーランスAさんの月間就業時間が190時間だったと仮定
この場合、上限時間を10時間上回った分が精算されます。

▼フリーランスAさん請求額の計算式
基本単価:600,000円 + (超過精算:3,330円 × 10h)= 633,300円

控除精算
契約時に定められた基本単価に対する基準時間を実稼働時間が下回った場合に精算されるもの

控除精算に関する計算例

<前提>
基本単価:600,000円
下限時間:140h
控除金額:4,280円/1h(※10円未満切り捨て)
フリーランスAさんの月間就業時間が130時間だったと仮定
この場合、下限時間を10時間下回った分が精算されます。

▼フリーランスAさん請求額の計算式
基本単価:600,000円 – (控除精算:4,280円 × 10h)= 557,200円

上下割

上下割とは精算幅を設ける際に基本単価に対する基準時間を設けて、上回った場合には上限時間で基本単価を割った金額、下回った場合には下限時間で基本単価を割った金額を実際に超過・控除した時間の分精算を行う方法です。
上下割は精算幅を設ける際の最も一般的な精算方法として利用されております。

上下割精算計算例

基本単価:600,000円/月
上限時間:180h
下限時間:140h

基本単金を上限時間で割った金額が超過金額と設定されます。
600,000円(基本単価) ÷ 180h(上限時間) = 3,333円(超過金額)

基本単金を下限時間で割った金額が控除金額と設定されます。
600,000円(基本単価) ÷ 140h(下限時間) = 4,285円(下限金額)

中間割

中間割とは精算幅を設ける際に基本単価に対する基準時間を設けて、実際の稼働時間が超過または控除が発生する条件となった際に基準時間の丁度中間となる時間にて基本単価を割った金額にて実際に超過・控除した時間の分精算を行う方法です。
中間割は上下割の次に多く活用される精算方法として利用されております。

中間割精算計算例

基本単価:600,000円/月
上限時間:180h
下限時間:140h

上限時間と下限時間の中間値を割り出します。
180h(上限時間) + 140h(下限時間) ÷ 2 = 160h(中間値)

基本単金を中間値で割った金額が中間割金額と設定されます。
600,000円(基本単価) ÷ 160h(中間割) = 3,750円(中間割金額)

【特徴】
・超過が発生した場合に発生する報酬が上下割よりも大きい
・控除が発生した場合に差し引かれる報酬が上下割よりも少ない

固定(固定精算)

固定(固定精算)とは精算幅を設けること無く基本単価のみの設定が行われるものです。
そのため残業が発生した場合でも、就業時間が短かった場合でもすべては基本単金のみが支払われる形となります。営業日が少ない月に控除の対処にならないという利点がある一方で過酷な稼働時間が課せられてしまうケースもありますので注意しなければなりません。固定精算の場合、必ず以下の内容を確認した上で契約を結ぶようにしましょう。

【注意点】
・稼働時間が過酷でないか予め確認を行う。
基準は営業日×8時間で計算をして照らし合わせて見ると良いでしょう。
180時間を予め超えることを想定している現場は危険信号です。

・稼働時間が少なかった場合でも基本単金の精算に変更がないか確認を行う。
就業先によっては顧客の営業日の都合や閑散期などの場合に控除について相談が入る場合があります。その可能性の芽は契約前に必ず確認をしておきましょう。

精算方法における注意点

精算を行うということは稼働に対しての報酬が左右されるということです。注意すべき事項を予め把握しておかなければ不都合な精算条件を知らず識らずのうちに了承してしまうことになりかねません。契約時に精算方法について必ず注意して確認すべき事項を見ていきましょう。

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作業時間単位を漏れなく確認

日または月の作業時間単位の確認を漏れなく行いましょう。こちらは時間単位が短ければ短いほど就業者側がお得に精算を行えます。ようするに単位が大きいほど切り捨てられて損をしてしまう部分が積み重なってしまいます。顧客ルールに則って決められることが多いですが、精算単位が60分などの場合はあまり条件が良くないので一度交渉または確認をしてみるとよいでしょう。実態として30分単位での精算が一般的です。

作業時間精算単位
日・・・ 1分、10分、15分、”30分”、60分
月・・・ 1分、10分、15分、”30分”、60分

顧客の営業日を確認

案件によっては休日出勤を要請されるケースや年末年始等就業先によって休暇日が変わってくる可能性があります。精算幅が設けられている場合、営業日が少ないことによる控除時間の発生などは予め注意をしておく必要があります。例えば顧客と精算幅を下限150時間で設定していた場合、18営業日の月は毎日漏れなく8時間働いても累計144時間と控除精算が発生してしまうことになります。どんな案件に就業する場合でも必ず年間の顧客営業日を確認して控除が発生しやすい時期などが存在しないか確認をしましょう。

控除が発生してしまうケース

<前提>
基本単価:600,000円
下限時間:150h
控除金額:4,000円/1h

20XX年8月祝日と顧客が設定する特別休暇の影響で18営業日。
18営業日全て無遅刻無欠勤で1日8時間予定通り就業したが控除の発生が起きます。

▼フリーランスAさん請求額の計算式
20XX年8月の累計稼働時間 = 144時間
基本単価:600,000円 – (控除精算:4,000円 × 6h)= 576,000円

精算方法について確認

精算があることを確認するだけで終えてしまってはなりません。
必ず上下割または中間割なのかの確認、そして精算幅の確認を行いましょう。
他にも精算方法を確認する際に抑えておくべきポイントを記載致します。

精算方法のチェックポイント

精算方法 ・・・ 上下割 or 中間割
精算幅  ・・・ 上限下限時間の確認
時間単位 ・・・ 精算時間単位の確認
営業日  ・・・ 年間通じて営業日の確認
勤務時間 ・・・ 所定勤務時間を確認
切り捨て ・・・ 〇〇円以下切り捨ての確認

日割りの精算方法を確認

主に月の途中から案件に就業する際に取り決める日割り精算方法について注意深く確認をしましょう。一般的には実際に稼働する合計営業日を該当月の全体営業日で割ったものを人月分の係数として設定し基準時間と掛け合わせて日割り金額を決めます。このとき精算幅も設けられている場合は同様に算出した係数を精算幅に掛け合わせて算出します。

日割り精算計算方法

<前提>
基本単価 :600,000円
精算幅  :140h (下限)- 180h(上限)

実稼働日数:10日稼働/21営業日中
人月係数 :0.47人月 (※小数点第3以下切捨)
初月単価 :600,000円 × 0.47人月 = 282,000円
初月精算 :65h(下限) – 84h(上限)
[計算式]]140h(下限) – 180h(上)×0.47人月

まとめ

精算幅を理解するために超過・控除に関する精算方法を複数のパターンについて解説させて頂きました。業務委託の契約時には様々な確認事項がありますが、中でも精算幅については複雑かつ報酬に直結する部分になるのでとても重要です。計算方法や設定条件に曖昧な部分を必ず排除するためにも予め知識を持ち、気持ちよく契約を互いに合意の上で進められるようにしましょう。

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