フラットデザインとはシンプルで平面的な概念のWebデザインスタイルです。1950~1960年頃から存在し、デザインをできる限りシンプルに表現し、装飾やグラフィックを極力取り除いた無駄のない洗練されたスタイルです。この記事ではフラットデザインを理解するために初心者でも分かる概要、Webデザインの歴史、特徴などの基礎知識について簡単に解説していきます。
フラットデザインとはシンプルで平面的な概念のWebデザインスタイルの一種です。立体感や光沢感などの視覚効果を最小限に抑え簡略化したミニマリズムを取り入れたデザインであり、スイス発祥で1940~50年代、当時「スイススタイル」に強いインスピレーションを受けたと言われております。レスポンシブWEBデザインと相性が良いこともあり、2013年にAppleにてリリースされたiOS7でフラットデザインを採用しWeb業界にて主流のデザインスタイルとなりました。
その後「直感的な操作性を実現しづらい」などのデメリットを解決するため、「フラットデザイン2.0」へと進化を遂げ、立体要素も捉えつつユーザビリティの向上を実現しました。フラットデザインの主な特徴として「立体感を排除した平面的なデザイン」「単色でメリハリのある色使い」「ページ読み込み速度が早い」などが挙げられます。
「フラット(flat)」という英単語は形容詞の場合「平面的な」というように訳されます。フラットデザインが「シンプルで平面的な概念のデザインスタイル」を意味することから名付けられたと考えられます。
フラットデザインの歴史は1950~1960年代にかけて始まりました。スイスにて1940~50年代にかけて発展した国際タイポグラフィー様式「スイススタイル」と呼ばれるリッド、サンセリフ体、コンテンツとレイアウトの明確な階層の利用を特徴としたデザインスタイルから強いインスピレーションを受けたようです。
他にも「テキストユーザインタフェース」「モダニズム」「バウハウス」をルーツとしているようです。モバイルの時代に入ると2007年から2012年頃にかけて「スキューモーフィズム」が主流となりました。スキューモーフィズムは見た目から直感的に機能をイメージしやすいという特徴を持ち、他の実在する物質に似せるために行うデザインスタイルです。フラットデザインがWebデザインに浸透していくのは2013年頃からとなります。
Apple社のiOS7でフラットデザインベースのUIが採用されたことが大きなキッカケです。レスポンシブWebデザインと相性が良く、立体感や光沢感などの視覚効果を最小限に抑え簡略化したミニマリズムを取り入れたデザインスタイルが時代にフィットしました。そんなフラットデザインには「直感的な操作性を実現しづらい」などのデメリットがありました。これを解決するため、「フラットデザイン2.0」へと進化を遂げ、立体要素も捉えつつユーザビリティの向上を実現しました。
年代 | 内容 |
1940~50年代 | 『スイススタイル』 国際タイポグラフィー様式 |
1950~60年代 | 『フラットデザインの始まり』 |
2007年〜2012年頃 | 『スキューモーフィズム』 |
2013年〜 | 『フラットデザイン』 |
2014年〜 | 『フラットデザイン2.0』 |
フラットデザインの特徴を見ていきましょう。
フラットデザインは立体感を排除した平面的なデザインという特徴があります。デザインをできる限りシンプルに表現し、装飾やグラフィックを極力取り除いた無駄のない洗練されたスタイルです。フラットデザインは長い歴史を持ち、Web以外の世界でも一般的に浸透していることから、人々が抵抗なく受け入れることができ、ストレスなく視覚的に受け取ることができます。
フラットデザインは単色でメリハリのある色使いという特徴があります。コントラストの高いカラーパネルで構成されており、多くのデザイナーが明るく、力強い色を選択しています。
フラットデザインはページ読み込み速度が早いという特徴があります。フラットデザインはシンプルで装飾やグラフィックを極力取り除いた無駄のない洗練されたスタイルです。画像や過度な装飾はデータ容量が増えてしまうことからページ読み込み速度に負担を与えます。こういった検索エンジンに対してマイナス要素となる部分が他のデザインスタイルと比較しても少ないことから検索エンジンとの親和性が高くSEO観点でもメリットがあります。
マテリアルデザインとは2014年にGoogleによって提唱されたデザインシステムの一種及び開発手法やデザインパターンの総称です。簡単にいうと「デザインのガイドライン(ルール)」のようなものであり「物質的な法則に則ったデザイン」となります。マテリアルデザインの基本的な概念は「紙」と「インク」で構成されており、Web画面を3次元に存在するものとしています。
デザインの構成要素を物質と捉え、現実世界のルールに基づくことで直感的な操作にユーザーを誘導することができます。主な違いとしてマテリアルデザインは「立体的」一方でフラットデザインは「平面的」という概念の部分でしょう。
フラットデザイン | マテリアルデザイン | |
起源 | 1950~60年代 (スイスにルーツ有り) |
2014年 (Googleが提唱) |
概念 | 平面的(2次元) | 立体的(3次元) |
操作性 | 非直感的 | 直感的 |
ユーザビリティ | 低い | 高い |
軸 | X軸(横)Y軸(縦) | X軸(横)Y軸(縦)Z軸(高) |
ルール | ルールは無く、自由度が高い | Googleによるガイドライン有 |
フラットデザイン以外のデザインスタイルを見ていきましょう。
スキューモーフィズムとは見た目から直感的に機能をイメージしやすいという特徴を持ち、他の実在する物質に似せるために行うデザインスタイルです。ユーザに馴染みのないものの外見を、馴染みのあるものにすることにより理解を促進するために使われます。主に2007年〜2012年頃にかけて多く採用されました。この頃、Apple社のiOS6までのデザインはスキューモーフィズムが全面にだされておりました。
フラットデザインを理解するために初心者でも分かる概要、Webデザインの歴史、特徴などの基礎知識について簡単に解説させていただきました。フラットデザインを一言で表すと『シンプルで平面的な概念のWebデザインスタイルの』です。特徴として「立体感を排除した平面的なデザイン」「単色でメリハリのある色使い」「ページ読み込み速度が早い」などが挙げられます。フラットデザインについてこの記事に書かれている最低限の内容は理解をしておくようにしましょう。