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ベンダーマネジメントを理解する!初心者でも分かる基本的な内容や役割、課題、活用のコツなどを簡単に解説!

ベンダーマネジメントを理解する!初心者でも分かる基本的な内容や役割、課題、活用のコツなどを簡単に解説!

最終更新:2021/08/30 投稿:2021/08/27
ベンダーマネジメントを理解する!初心者でも分かる基本的な内容や役割、課題、活用のコツなどを簡単に解説!

近年、自社のシステム開発を外部の会社に委託する企業が増えてきています。その際に重要なのが「ベンダーマネジメント」です。文字通り依頼したシステム会社(ベンダー)に対して良好な関係を築きながら開発の過程をマネジメントしていくことを指します。近年のIT業界では最新技術が目まぐるしく誕生し、ITベンダーの数も増加傾向にあります。そもそも自社の相性の良いベンダーを選定できるかどうか、そしてベンダーを上手く活用できるかどうかがシステム開発成功の上では非常に大切です。この記事では、ベンダーマネジメントの役割や具体的な手法、ベンダーマネジメントを上手く活用するコツなどを初心者でも分かりやすく解説していきます。

ベンダーマネジメントとは

ベンダーマネジメントとは、ベンダーに対してシステム発注を行い、指示、運用をマネジメントすることを言います。IT活用が欠かせない現代の企業活動において、新しいシステムやネットワークの導入、定期的な更改は自社で全てを実行することは難しくほとんどの企業がシステム会社に委託します。ベンダーマネジメントの目的はベンターのパフォーマンスを最大化させプロジェクトを成功に導くことです。発注した後にベンダーに任せっきりでプロジェクトに関与しないと作業内容や成果物にズレが発生してしまったり、リスクに気づくことが出来ず重要な損失に繋がりかねない事態を起こす可能性もあります。
ベンダーに任せっきりにするのではなく、担当者自身もプロジェクトに対して主体性と責任感を持ちながら適切なベンダーマネジメントを行いベンダーと密なコミュニケーションを取ることが何よりも重要です。

ベンダーマネジメントの役割

ベンダーマネジメントの役割を見ていきましょう。

契約管理

プロジェクトの予算や納期、詳細の内容を元に適切な契約をベンダーと結ぶことから始まります。ベンダーを選定する上でも自社の予算や納期の要望を正確に把握し必要であれば契約内容の交渉をベンダーとも行います。どれだけ密なコミュニケーションを取っていても予期せぬトラブルはプロジェクトにおいて発生してしまうものです。そういったあらゆるリスクも想定した上で自社の損失にならないように契約内容を決定していきます。

モチベーション管理

ベンダーと良好な関係を築き、自社のプロジェクトへのモチベーションを保ってもらうようにコミュニケーションを取るのも担当者の重要な役割です。ベンダーにとっては顧客は一つではなく様々な案件を抱えています。その中でも自社のプロジェクトにリソースを咲いてもらうにはやはり担当者自身がプロジェクトに対して主体性を持ち協力しようとする姿勢が必要です。成果物の品質を下げないためにも密なコミュニケーションと良好な関係を保ち続ける意識を持ちましょう。

パフォーマンス管理

成果物の品質、進捗を管理するのも担当者の役割です。これを怠ってしまうと品質が下がったり、ゴールへの共通認識が取れておらず最終的に自社の損失に繋がり兼ねません。ただ管理するだけでなく、ベンダーと評価指標を策定しPDCAに落とし込み定期的にモニタリングをします。このように管理の仕組み化を行うことにより、ベンダー側も進捗管理がしやすくなるだけでなく、定期的なコミュニケーションを取る機会を設けることが予期せぬトラブルが発生した場合も共有が出来事前にリスクを防げる可能性にも繋がります。

ベンダーマネジメントの具体的な手法

ベンダーマネジメントの手法を見ていきましょう。

VMOの確立

ベンダーマネジメントの役割を確実に履行していくために欠かせないのがVMO( Vender Management Office)の確立です。VMOとはベンダーマネジメントを行う専任組織のことを指し、ベンダーの選定から調整、最終的な納品までに必要なやり取りや業務を担当します。まだまだ専任組織を設けない会社がある中でもVMOの確立が重要だと言われる理由がいくつかあります。
一つ目はシステム開発の発注に関連する自社の作業が非常に広範囲であることが挙げられます。調達からリレーション管理、進捗管理、戦略策定など別の業務と兼務しながら出来る業務ではなかなか無いという訳です。
二つ目の理由としてはベンダーコントロールには専門的なスキルが一定必要であるという点が挙げられます。当然のことながらシステム開発における全般的なスキルは必要になりますし、主体性も求められるためリーダーシップも必要です。またベンダーの選定から契約の交渉までも任されるため事前のリスクも想定出来るベンダーマネジメントの経験や折衝能力も必要になります。
これらの理由により専任の担当者を決めるだけではなく、専門性が高い業務だからこそ組織化してノウハウを蓄積していくような体制を確立することが必要です。

ゴール設定

VMOを編成したら次に必ず行うべきことが組織のゴールの設定です。ゴール設定における志向は大きく2つに分類され、ITコストの削減を目指す「調達最適志向」か、新しい価値を創造する「戦略最適志向」かのどちらかを大まかに決めます。事前にゴール設定をしておくことで共通認識を持ちやすくなり組織内でもゴールから逆算して物事を意思決定していくことが出来ます。

ベンダー選定

VMOを編成しゴールが明確になったら次にベンダーを選定していきます。近年ITベンダーの数は増加傾向にあり、自社の目的に合ったベンダーを選定するのも選択肢が多い故に難しくなっています。選定方法でよくありがちなことは、相見積もりを取り最も価格が低かったベンダーに依頼をしたり、すでに既存取引のあるベンダーにお願いするといったケースも多いです。しかし上記の様にプロジェクトの内容に合わせて選定をしないと成果物の質が想定よりも低くなってしまったり、納期遅れが生じてしまうケースがある場合もあり、最初のベンダー選定は非常に重要な業務といえます。ベンダーを選定する上で特に大事な項目は、要件適合度合い、導入実績、会社信用度、金額と大きく4点に分けられます。金額やこれまでの実績だけでなくトータル的にみて自社にベストなベンダーを選定することが必要となります。

マネジメント

ベンダーを選定し実際にプロジェクトがはじまった後も担当者がプロジェクトの成功に責任を持ちベンダーとともにプロジェクトの進捗を管理していくことが重要です。ベンダーと評価指標を策定しPDCAに落とし込み定期的にモニタリングをします。作業進捗の管理はもちろんのこと、リスクを最小限に抑えることやコンプライアンスが守られているかどうかなど、様々な観点を持ちベンダーと密にコミュニケーションを取ります。

ベンダーマネジメントの課題

多くの企業がシステムやネットワーク開発を外部に委託する現代においてベンダーを利用することはもはや当たり前のことになってきています。しかしベンダーマネジメントに課題を感じている企業も少なくないのが現状です。現状の課題としては、VMOの編成がなかなか進んでいないという点が一つ挙げられます。実際に従業員1000人以上の企業でもIT部門内にVMOを組織として持っている企業はわずか25%弱と非常に低い数字となっています。
徐々に編成を検討している企業は増加傾向にあるもののまだまだVMO組織を編成すること自体メジャーではなく属人化してしまっている企業が多いでしょう。まずは組織内でベンダーマネジメントの専属組織を確立しフレームワークを利用しながら自社にノウハウを蓄積することで結果的にはプロジェクトの成功を納めることが出来るでしょう。

ベンダーマネジメント活用のコツ

ベンダーマネジメントを行うにあたり、担当者に求められることはベンダーマネジメントの経験です。上記に記載した通り、ベンダーの選定からマネジメントまでやることは多岐に渡りますし、ベンダーとのコミュニケーションや折衝業務も多く発生するため、ベンダーをマネジメントした経験こそが、自分自身も主体的に主導権を握って業務をこなすことが出来る一番の近道でしょう。ただ担当者がいくら経験豊富であっても選定したベンダーが自社とミスマッチであればプロジェクトの成功はあり得ないため、自社の案件に協力的で良好な関係を築く事ができる会社を選ぶことも大切になります。

まとめ

ベンダーマネジメントを理解するために初心者でも分かる基本的な内容、役割、具体的な手法について解説させていただきました。ベンダーマネジメントを一言で表すと『ベンダーに対してシステム発注を行い、指示、運用をマネジメントすること』です。具体的な手法として「VMOの編成」「ゴールの設定」「ベンダー選定」などが挙げられます。システム開発を成功に導くために欠かせないベンダーマネジメントについてこの記事に記載されている最低限の内容は理解をしておくようにしましょう。

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