Oracle Database(オラクルデータベース)は世界最大規模のデータベースマネージメントシステムです。IT業界では「OracleDB」や「Oracle」などと省略して呼ぶことが多く、もはやその名を知らない方はいないでしょう。この記事ではOracle Databaseを理解するために歴史、特徴、用語などを簡単に解説していきます。
Oracle DatabaseとはOracle社が提供する世界初の商用データベースです。メインフレームから各種UNIX系、Windowsまで、幅広いプラットフォームに対応しており世界最大規模のデータベースマネージメントシステム(DBMS)として親しまれております。
多数あるデータベースと比べても大量にデータを扱うことを得意としております。そのため大規模なシステムのデータベースとして活用することに向いております。OracleDBを使用するために生まれたプログラム言語としてPL/SQLというデータベース言語があります。
Oracleとは米国発祥の世界で有数のソフトウェア企業です。DBMS(データベース管理システム)のOracle Databaseを主力商品としており、他にもに加え、データベース開発ツール、ERP、CRM、SCMなどの製品を持っております。
データベースとは様々な情報を整理し効率よく使用するために格納するデータの集合体のことです。データベースには様々なデータを効率よく管理するための機能が用意されております。また大量のデータを高速に処理することも可能です。用途は様々で顧客管理や在庫管理などの複数のデータを取り扱うことが必要とされる業務に使用されます。主なデータベースの種類としてOracleDBやMySQLなどが挙げられます。
データベースの種類や特徴を解説している記事はこちら>>
DBMSとはデータベースを構築するためにデータベースの運用、管理を実行するためのシステムです。
代表的な製品としてOracle Database、SQL Server、MySQLなどが挙げられます。
DBMS(データベース管理システム)の歴史、種類、基本的な機能の解説された記事はこちら>>
Oracle Databaseの読み方は『オラクルデータベース』です。IT業界では「OracleDB」や「Oracle」などと省略して呼ぶことが一般的となっております。
Oracle Databaseの誕生は1979年に発表された『Oracle V2』という商用関係データベースが起源となっております。V2とは「Version2」を意味しており、初期リリースからV2と名乗ったのは洗練されたデータベースであるという営業的なアピールのためだったそうです。
1988年になるとOracle Database専用言語としてPL/SQLが開発されました。2000年を迎えるとこれまで『Oracle』と名乗っていた製品名を『Oracle Database』と名称変更を行いました。登場以来度重なるアップデートを繰り返し2020年10月現在の最新バージョンは19cとなっております。簡単に以下の年表にまとめておりますのでご覧ください。
年代 | 内容 |
1979年 | 商用関係データベース『OracleV2』リリース |
1983年 | 『OracleV3』リリース |
1984年 | 『Oracle4』リリース |
1985年 | 『Oracle5』リリース |
1988年 | 『Oracle6』リリース 『PL/SQL』リリース |
1992年 | 『Oracle7』リリース |
1997年 | 『Oracle8』リリース |
2001年 | 『Oracle9 Database』リリース |
2003年 | 『Oracle Database 10g』リリース |
2007年 | 『Oracle Database 11g』リリース |
2013年 | 『Oracle Database 12c』リリース |
2018年 | 『Oracle Database 18c』リリース |
2019年 | 『Oracle Database 19c』リリース |
Oracle Databaseの特徴を見ていきましょう。
Oracle Databaseは大量のデータを扱うことが得意という特徴があります。そのため大規模なシステムのデータベースとして活用することに向いております。
Oracle Databaseは信頼できる堅牢性という特徴があります。Oracle Databaseのセキュリティ診断サービスによりデータベースの脆弱性を定期的にチェックしております。それに伴い必要な対策を実施することで堅牢性の低下を防ぎ信頼できる堅牢性を担保しております。
Oracle Databaseは移植性が高いという特徴があります。C言語でデータベースエンジン・コアAPI周りを構築しており、Javaで各種ツール類は記述されているため広いプラットフォームでの高い移植性を誇ります。
Oracle Databaseにおける用語を見ていきましょう。
OracleDBAとはDBMS(データベース管理システム)である「Oracle Database」の導入や運用、記録されたデータの管理を行う役目を持つ職種のことです。OracleDBAは「Oracle Database」運用全般の責任を持ちます。
OracleRACとは「Oracle Database」の拡張機能の一種です。その機能はクラスタリングといい複数のコンピュータを束ねて一体のシステムを構成するものです。これにより複数のサーバーで一つのデータベースを構成することが可能となります。
Oracle Masterとはオラクル社が公式に認定する「Oracle Database」に関する資格です。主にデータベースの管理/運用のほか、SQLに関する知見が問われる問題を出題されます。
『Bronze(ブロンズ)』『Silver(シルバー)』『Gold(ゴールド)』『Platinum(プラチナ)』の4つのランクが用意されております。
PL/SQLとはOracle Databaseにおいて使用するためにOracle社によってデータベース言語SQLを拡張して作成されたプログラミング言語です。SQLが非手続型であるのに対し、PL/SQLは手続き型を採用しております。PL/SQLで作成されたプログラムを『PL/SQLブロック』と呼び、宣言部・実行部・例外処理部の3つの部で構成されます。特徴としてSQLとの親和性が高いことや移植性に優れていることが挙げられます。
Oracle Database(オラクルデータベース)を理解するために初心者でも分かる歴史、特徴、用語などの基礎知識を簡単に解説させていただきました。Oracle Databaseを一言で表すと『世界最大規模のデータベースマネージメントシステム』です。特徴として「大量のデータを扱うことが得意」「信頼できる堅牢性」「移植性が高い」などが挙げられます。Oracle Databaseについてこの記事に記載されている最低限の内容は理解しておくようにしましょう。