システム開発工程の中でも難易度が高く担当するエンジニアにとってプレッシャーが大きいとされるシステム移行についてご存知でしょうか?新システム開発完了後に現行システムから必要なデータを受け渡すこの作業。単純な作業に聞こえるかも知れませんが実はとても繊細で抑えておくべき要点の多い作業なのです。この記事ではシステム移行を理解するために一般的な取り組み手順と必要な要素を簡単に解説していきます。
システム移行とはこれまで稼働を続けてきた現行システムが改善の必要が出てきた際にソフトウェアやハードウェアの一部またはその全てを含めて新システムへと移行させることです。
ウォーターフォールモデルのシステム開発工程に当てはめた際には、運用テスト工程が完了した後にシステムを本番環境に移す為にシステム移行工程が実行されます。
英語表記は“System Migration”
略式は”SM”
となっております。
※英語で表現される機会もあるため参考までに
システム開発の基本工程について解説された記事はこちら>>
システム移行を実施するにあたっての一般的な取り組み手順を紹介します。
はじめに移行計画を実施します。(この移行計画は移行設計と呼ばれる場合があります。
)ここでは移行範囲を明確化し、データ量の見積もりや、移行ツールの決定などがシステム移行に必要な要件を洗い出し作業順序を決めていきます。
大まかな計画すべき項目を紹介させていただきます。
移行元データの調査を実施します。システム移行に伴い、必ず必要になるのがこの作業です。ここでは主に”移行ツール要件定義”、”データクレンジング”の2つを見ていく必要があります。
現行のシステムから新システムへとデータ移行するためのプログラムを作成します。このとき、移行先のデータ項目やテーブルと綺麗に照合するようにプログラムを組みます。
システム移行計画書に従って、実施手順の確認を行います。ここで行う作業を移行リハーサルと呼びます。
システム移行計画書の内容が移行リハーサルによって問題なく実施可能と判断された後にシステム移行作業の実施を行います。
システム移行を理解するために一般的な取り組み手順や必要な要素を紹介させて頂きました。新システムの構築完了後に現行システム環境からのシステム移行を実施するこの作業は最も緊張感のある作業ともいわれております。新システムの開発作業完了で気の緩みを出すこと無く、システム移行の作業を完璧に熟すところまでつまづくこと無くプロジェクトが進むようにしましょう。