PowerBuilderはビジネスアプリケーション開発のための機能が取り揃えられた統合開発環境です。主に基幹システムの構築に使用されるのですがデータウィンドウと呼ばれるデータ及び項目を直感的に操作できる機能が用意されていることから大きくの企業に親しまれております。この記事ではPowerBuilderを理解するために初心者でも分かる特徴、歴史、基礎知識などを簡単に解説していきます。
PowerBuilderとは1991年にPowersoft社によって開発され現在はSAP社が所有する統合開発環境(IDE)です。特に数多くのデータを扱うビジネスアプリケーション開発のための機能が取り揃えられた統合開発環境として親しまれております。
具体的には『在庫管理システム』『受発注システム』『経理システム』のような基幹システムの構築に使用されることが一般的です。PowerBuilderは『C言語』や『C++』で開発されております。またオブジェクト指向を採用しており、データウィンドウと呼ばれるデータ及び項目を直感的に操作できる機能が用意されていることが強みで簡単に素早く開発を進めることができます。
SQLを扱う技術を有していなくともデータウィンドウを活用すればDB関連の操作可能なことから人気を呼び、数多くの企業で使用されております。
PowerBuilderの読み方は『パワービルダー』が一般的となっております。名前の由来は公開されておりませんでしたが、開発元である『Powersoft社』の名前にちなんでいることは大いに考えられます。
PowerBuilderはPowersoft社によって1991年に誕生しました。PowerBuilderの開発に使用されたプログラミング言語は『C言語』と『C++』です。1995年になるとSybase社によって事業買収が行われPowerBuilderはSybase社の管理化となりました。翌年1996年にはPowersoft社の初期開発メンバーの多くがSybase社を離れたこともあり、PowerBuilderの成長に陰りを見せます。
メンバーが離れていった原因の一つはSybase社の株価急落と言われております。2010年になるとERP最大手のSAP社によって事業買収が行われ現在もなおSAP社によって管理されております。これを機にメジャーアップデートを行い『Microsoft .NET Framework』に対応します。
2017年にはiOS及びAndroidアプリ開発のサポートが追加されました。誕生より30年が経過し、紆余曲折ありましたが今も尚多くの企業に愛されている統合開発環境です。
年表 | 内容 |
1991年 | Powersoft社によって開発 PowerBuilder1.0リリース |
1995年 | Sybase社によって買収 |
1996年 | Sybase社に株価急落 初期開発メンバーの多くが離脱 |
2010年 | SAP社によって買収 |
2010年 | .NET Frameworkサポート追加 |
2014年 | 64ビットネイティブアプリケーションのサポート追加 |
2017年 | PowerBuilder 2017リリース iOS及びAndroidアプリ開発のサポートが追加 |
2019年 | PowerBuilder 2019リリース(現最新版) |
PowerBuilderの特徴を見てきましょう。
PowerBuilderはビジネスアプリケーション開発のための機能が取り揃えられた統合開発環境
です。アプリケーション開発を簡単に操作するためのコントロール群が用意されており、デバック機能も充実しております。対象のアプリケーション開発において様々なツールを駆使すること無くPowerBuilderのみで完結できるため開発効率が高く、保守性も高い。
データウィンドウとはネイティブのデータ処理オブジェクトでありPowerBuilderにおける最も特徴的な機能です。データウィンドウではデータ及び項目を様々な形式で表示させるなど直感的に操作できる機能であり、この機能によって簡単に素早く開発を進めること可能となっております。
PowerBuilderでは様々なデータベースとの接続が可能な環境が用意されており、データベースとの高い親和性を持つ特徴があります。『ODBCJDBC』『ADO.NET』『OLE DB』などを経由する一般的な標準データベースインターフェースと『ORACLE』や『SQL Server』などのネイティブデータベースインターフェイスが提供されております。
PowerBuilderはクライアントサーバーシステム開発に向いております。
(※2010年に.NET Frameworkに対応して以降Web開発にも活用されます。)
PowerBuilderはPowerServerを使用することでデスクトップクラウドアプリとして活用が可能です。これによりインターネット経由でWebブラウザーを介してユーザーにアプリケーションがインストールされ自動的に更新されます。
PowerBuilder2019の価格と内容をプラン別に見ていきましょう。
PowerBuilder CloudProは『C#REST APIアーキテクチャ』を使用して、既存のクライアント/サーバーアプリケーションをデスクトップクラウドアプリとしてクラウドにデプロイします。
PowerBuilderProfessionalはデータウィンドウテクノロジーの生産性により、クライアント/サーバーアプリケーションを迅速に開発します。
PowerBuilderを理解するために初心者でも分かる特徴、歴史、基礎知識を簡単に解説させて頂きました。PowerBuilderを一言で表すと『ビジネスアプリケーション開発のための機能が取り揃えられた統合開発環境(IDE)』です。PowerBuilderを使用することで「データウィンドウ」「データベースとの高い親和性」などの特徴を活かすことができます。登場から30年の年月が経ち、紆余曲折しながらも基幹システムの開発において大くの企業に活用されております。PowerBuilderについてこの記事に記載されている最低限の内容は理解しておくようにしましょう。