AWS(Amazon Web Services)とは世界で最も利用されているクラウドコンピューティングサービスです。まだ世の中にクラウドコンピューティングサービスという言葉が存在しない頃に登場し、圧倒的なスピードで世界へと浸透させていきました。AWS上では数多くのサービスが提供されておりサーバー、ネットワーク、ストレージ、データベースなどどの全てをAmazonの最新の技術の元に利用することができます。この記事ではAWSを理解するために初心者でも分かる歴史、代表的なサービス、基礎知識などを簡単に解説していきます。
AWS(Amazon Web Services)とは2006年にIT業界を牽引する多国籍テクノロジー企業『Amazon.com, Inc.』によって立ち上げられたクラウドコンピューティングサービスです。世界で最も包括的で広く採用されているクラウドプラットフォームであり、クラウド分野での世界的シェアは2018年時点で33%程度と圧倒的な地位を築き上げております。日本国内の企業でも57%程度(2018年時点)が採用しております。価格の優位性はもちろんのこと「豊富で包括的なクラウドサービスを提供」「世界中に大規模なデータセンターを所有」「最先端で高度なセキュリティ大勢」など様々な特徴を兼ね備えております。AWSはクラウドサービスの分野の中でも『パブリッククラウド』というサービス形態を採用しております。AWS一つでサーバー、ネットワーク、ストレージ、データベースなどサービスに必要なその全てをAmazonの最新の技術の元に利用することができます。
AWSの読み方は『エーダブリューエス』が一般的となっております。AWSという呼び名は正式名称「Amazon Web Services(アマゾンウェブサービス)」の略称です。名前の由来はサービス提供会社であるAmazon社が手掛けているウェブサービスであることから名付けられております。
AWSはIT業界を牽引する多国籍テクノロジー企業『Amazon.com, Inc.』によって2006年にリリースされたクラウドコンピューティングサービスです。AWSの構想は2003年の終わりの頃にクリス・ピンカム氏とベンジャミン・ブラック氏によってアマゾン社のサーバーインフラに関する展望についてのまとめられた論文がキッカケと言われております。そこには「新たなサーバーインフラは完全に標準化、自動化され、ストレージやネットワークは最終的にはウェブサービスに依存することになる」と記されております。そしてAWSのリリースが発表された2006年というのはまだ世の中にクラウドコンピューティングサービスという言葉が馴染みの無い頃です。この頃、AWSにおいて提供していた主要なサービスは「Amazon Simple Queue Service(SQS)」「Amazon Simple Storage Service(S3)」「Amazon Elastic Compute Cloud (EC2)」の3サービスでした。
2009年には仮想プライベートクラウドサービスである「Amazon Virtual Private Cloud(VPC)」や分散リレーショナルデータベースサービスの「Amazon Relational Database Service(RDS)」をリリース。2010年になるとアマゾン社はウェブ関連の小売事業全てをAWS上へと移行します。翌年2011年には世界で5番目のリージョンとして日本に東京リージョン(データセンター)を開設しました。2014年スケーラブルなコンテナ管理サービス「Ealstic Container Service(ECS)」をリリース。クラウド分野での世界的シェアは2018年時点で33%程度と1位であり、2位のAzureと20%以上の差をつける形で圧倒的な地位を築き上げております。
年代 | 概要 |
2003年 | 『論文がまとめられる』 クリス・ピンカム氏とベンジャミン・ブラック氏によってアマゾン社のサーバーインフラに関する展望について |
2006年 | AWS(Amazon Web Services)リリース ・Amazon Simple Queue Service(SQS) ・Amazon Simple Storage Service(S3) ・Amazon Elastic Compute Cloud (EC2) |
2009年 | 仮想プライベートクラウドサービス 「Amazon Relational Database Service(RDS)」をリリース |
2010年 | アマゾン社がウェブ関連の小売事業全てをAWS上へと移行 |
2011年 | 世界で5番目のリージョンとして日本に東京リージョン(データセンター)を開設 |
2014年 | スケーラブルなコンテナ管理サービス「Ealstic Container Service(ECS)」をリリース |
2017年 | Amazon EKS(Amazon Elastic Container Service for Kubernetes)をリリース |
AWSで提供されるの代表的なサービスを見ていきましょう。
EC2(Amazon Elastic Compute Cloud)とはAWSの商用ウェブサービスとして提供される仮想サーバーです。EC2を利用することでAWS上に仮想サーバーを構築することができます。EC2では仮想サーバーのことをインスタンスと呼びます。アプリケーションのスケーラブル展開が可能で、仮想マシンと呼ばれるサーバインスタンスを作成しソフトウェアを実行します。特徴として「スペックが自由に選べる」「従量課金性」「スピーディな構築」などが挙げられます。
S3(Amazon Simple Storage Service)とはAWSの商用ウェブサービスとして提供されるオンラインストレージです。S3を利用することで様々なデータを容量を気にすることなく保存することができます。 S3にはオブジェクトストレージサービスの基本であるストレージの他、バケットポリシーやIAMといった多彩な機能が用意されています。特徴として「耐久性が高い」「データ量無制限」「豊富なツールや機能」などが挙げられます。
RDS(Amazon Relational Database Service)はAWSの商用ウェブサービスとして提供されるリレーショナル型のデータベースです。MySQLをベースとしたリレーショナルデータベースであり、MySQLの全機能がRDSでも利用可能となっております。データベースのインストールやバックアップなどのセットアップを不要とし、データベースが利用できる環境が提供されているため、契約後すぐにAWS上でデータベースを使用することが可能です。特徴として「スケーラビリティが高い」「可用性と耐久性が高い」「運用の負担削減」などが挙げられます。
VPCは(Amazon Web Service Virtual Private Cloud)AWSの商用ウェブサービスとして提供される仮想ネットワークサービスです。仮想ネットワーク環境を制御して、既存のデータセンターと自分のVPC間にハードウェア仮想プライベートネットワーク(VPN)接続を作成することができます。特徴として「セキュリティレベルが高い」「設計の自由度が高い」「細やかなアクセスコントロールが可能」などが挙げられます。
AWSを理解するために初心者でも分かる歴史、代表的なサービス、基礎知識などを簡単に解説させていただきました。AWSを一言で表すと『世界で最も利用されているクラウドコンピューティングサービス』です。2006年に登場して以降、世界のクラウドコンピューティングサービス市場を牽引してきました。パブリッククラウドの中でも低価格であり、初心者でもわかりやすい操作性であることから今後も高い将来性が期待されております。AWSについてこの記事に記載されている最低限の内容は理解しておくようにしましょう。