スクリプト言語という用語について解説をしていきます。JavaScript、PHP、Rubyなど数々の人気プログラミング言語がスクリプト言語に該当すると言われております。このスクリプト言語というものは比較的簡単に実行が出来るプログラミング言語の総称であり、プログラミング言語の形式ではありません。インタプリタ言語と同義と考えている方もいるようですがそれは違います。この記事ではスクリプト言語のメリット・デメリット、種類などを簡単に解説させていただきます。
スクリプト言語とはプログラム言語の中でもプログラムの記述や実行を簡易的に行うことができるプログラミング言語の総称です。スクリプト言語には厳密な定義は存在していませんが、動的型付け言語をスクリプト言語として呼ぶ場合があります。また多くの場合インタプリタ方式(インタプリタ言語)を採用しているプログラム言語が多いです。
スクリプト言語の始まりは1960年代初期に開発された『シェルスクリプト』と言われております。スクリプト言語の特徴は『プログラム言語の中でも比較的学習しやすい』ということが挙げられます。またソースコードを実行するか中間表現に変換するのみなので確認や修正への手間が少ないことも特徴の一つです。代表的なスクリプト言語としてPHP、Ruby、JavaScriptなどが挙げられます。
スクリプト言語のメリットを見ていきましょう。
スクリプト言語はプログラム言語の中でも比較的学習しやすいというメリットが挙げられます。プログラミング言語を大きく2種類に分けるとコンパイラ言語とスクリプト言語に分けられます。コンパイラ言語にはJavaやC言語などが挙げられますが、これらは基本的に機械語と呼ばれるコンピュータが理解するための記述(ソースコード)を使用するため学習難易度が高いとされております。一方でスクリプト言語では英語のような記述を使用するためプログラマーも理解することが容易で学習がしやすいと言われております。
スクリプト言語は修正の手間が少ないというメリットが挙げられます。コンパイラ言語の場合、ソースコードの記述が難しい傾向にあることやソースコードを変更する度にコンパイルを行い、リンクさせて実行ファイルを作成しなければプログラムを実行出来ないという工数が発生します。一方でスクリプト言語ではソースコードを実行するか中間表現に変換するのみなので確認や修正への手間が軽減されます。
スクリプト言語のデメリットを見ていきましょう。
スクリプト言語は実行速度が遅いというデメリットが挙げられます。スクリプト言語言語は
コンパイラ言語に比べて実行時の性能が劣ると言われております。その原因として多くの場合、コードを実行する際に1行ずつコンピュータが読み取りやすいように機械語に翻訳していくインタプリタ方式を採用しているということが挙げられます。
一方でスクリプト言語ではコンパイルを不要とする場合が多いため『コンパイル時間+実行時間』で考えるとスクリプト言語の方が優勢となる場合もあります。そのため一概にコンパイラ言語よりも遅いとは言えませんが、実行速度の観点だけで見ると遅い傾向にあります。
スクリプト言語とコンパイラ言語の違いを記載した表を見ていきましょう。
コンパイラ言語 | スクリプト言語 | |
学習難易度 | 難易度高い | 難易度低い |
コンパイル | 必要 | 不要 |
実効速度 | 早い | 遅い |
言語の種類 | Java、C言語など | PHP、JavaScriptなど |
インタプリタ言語とスクリプト言語の違いについて頭を悩ませる方が多いようですが、これらの大きな違いはそれぞれ『定義』にあります。
インタプリタ言語 | スクリプト言語 | |
定義 | プログラム実行方式 | 記述や実行が簡易的なプログラミング言語の総称 |
代表的なスクリプト言語を見ていきましょう。
PHPとはラスマス・ラードフ氏によって1995年に開発されたオープンソースのサーバーサイド言語です。動的なWebページを生成することができるプログラミング言語として全世界で親しまれております。PHPというその名称には「Hypertext PreprocessorPHPはHTMLのプリプロセッサである」という意味が込められております。
特徴は『動作確認が簡単であること』や『HTMLの中で簡単にコードを動かせる』といったことが挙げられます。Webサービスを開発するプログラミング言語としてPHPは世界的にトップクラスの人気を集めております。
Rubyとはまつもとゆきひろ氏によって1995年に開発されたオープンソースでオブジェクト指向のプログラミング言語です。日本人プログラマーのよって開発された言語として初めて国際電気標準会議(IEC)で国際規格に認証されました。Rubyの特徴は記述量が少なく、自由度が高い、そして何より『書くことが楽しい』と多くのプログラマーの方が口を揃えております。RubyはWebアプリケーションの開発に最も向いており代表的な開発事例としてGunosy、食べログ、価格.comなどが挙げられます。
Pythonとはグイド・ヴァンロッサム氏によって1991年に開発された汎用的に使用されるプログラミング言語です。サーバサイド言語としてWebアプリケーションやデスクトップアプリケーションの開発に使われるだけでなく、組み込み開発、自動処理、統計・解析、機械学習など幅広い領域に対応出来るプログラミング言語として親しまれております。
特徴として『コードがシンプルで覚えやすい』『少ない記述で多くの処理が可能』などが挙げられます。Pythonは人工知能(AI)やビッグデータなどトレンドの分野にて重宝されております。このように幅広い分野にて扱われる汎用的なプログラミング言語として高い人気を集めております。
JavaScriptとはネットスケープコミュニケーションズ社によって1995年に誕生したプログラミング言語の一種でその中でもオブジェクト指向スクリプト言語に区分されます。主な目的として動的な機能をWebページに生成するためのプログラミング言語として開発されました。Webサイト、Webアプリ、ゲームなど様々な用途に活用できるため注目を集めております。JavaScriptフレームワークの代表的な種類としてjQuery、AngularJS、Vue.jsなどが挙げられます。
スクリプト言語についてメリット・デメリット、それぞれの特徴を簡単に解説させて頂きました。スクリプト言語を一言で表すと『プログラムの記述や実行を簡易的に行うことができるプログラミング言語の総称』特徴として『学習しやすい』というメリットがあり、『実行速度が遅い』というデメリットがあります。JavaScript、PHP、Rubyなど人気をあつめる数々のプログラミング言語も該当しております。こちらに記載されている最低限の内容は理解をしておくようにしましょう。