新型コロナウイルスの感染拡大で国内では様々な対策がなされていますが、無根拠・効果がない消毒法などもネットで蔓延しているのが現状です。コロナウイルスは感染者から直接感染する飛沫感染だけではなく、接触感染(例:感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、その手で周りの物に触れてウイルスが付き、別の人がその物に触ってウイルスが手に付着し、その手で口や鼻を触って粘膜から感染)といった感染もします。そこで今回は、接触感染を防ぐため家庭でもできる正しい消毒の特徴や種類などを簡単に解説していきます。
消毒・滅菌・殺菌の違いを説明していきます。
消毒とは人体に有害な物質を除去または無害化することで、広い意味での消毒には化学物質の中和を含み。狭い意味では病原微生物を殺すこと(殺菌など)、または病原微生物の能力を減退させ病原性をなくすことです。
したがって無菌にすることではありません。
滅菌とは病原性があるかないかではなく、そこにあるすべての菌(細菌だけでなく、ウイルスやプリオンを含めたすべての生命体)を死滅させるor除去することです。
(従って滅菌は器具に対して行うものであり、人体或いは患畜に対して行うことは出来ない)。病原性をなくすレベルの達成を目的とした消毒とは異なります。
殺菌とは文字通り菌を殺すことです。消毒の手段として殺菌が行われることがあるが殺菌はせずに病原性をなくすことによって消毒が達成される場合も少なからずあるので、意味合いが異なってきます。
消毒には様々な種類があり、大きく分けて12種類もの消毒法(重金属化学物質・アルコール類・アルデヒド類・フェノール類・ビグアナイド類・界面活性剤・塩素化合物・ヨウ素類・過酸化物・酸・アルカリ色素涙)があります。
これらの中から今回はコロナ対策となる家庭でもできる消毒を下記2つに絞って解説していきます。
・手指用アルコール消毒液
・次亜塩素酸ナトリウム
手指用アルコール消毒液は厚生労働省のホームページ「新型コロナウイルスに関するQ&A」の中で、「アルコール消毒(70%)などで感染力を失うことが知られています」と表記しています。よって接触感染を防ぐ上でアルコール消毒は有用と言えます。
しかしながら、アルコール濃度が70%以上でなければ消毒効果は十分に期待されません。一般的な私達がドラッグストアなどで購入できるものはその基準値を超えているものがほとんどですが、アルコールの文字の傍らに※1と注記があり「清涼剤・溶剤として」と補われているような物もあるので購入される際は表記をしっかり確認されることをお勧めします。
メーカー (五十音順) | 商品名 | アルコール濃度 |
サラヤ株式会社 | 手指消毒アルコール サニサーラEG(ジェルタイプ) |
76.9~81.4vol% |
健栄製薬 | 手ピカスプレ− 手ピカジェル |
76.9~81.4vol% |
株式会社スズケン | ラビングケア ®プラス ジェルケア ®プラス |
76.9~81.4vol% |
ドラッグストアで売られている有名なものはほとんどがアルコール濃度76.9~81.4vol%のものが多く手指消毒用としで十分効果が得られる
次亜塩素酸ナトリウムは厚生労働省のホームページ「新型コロナウイルスの感染が疑われる人がいる場合の家庭内での注意事項」の中で0.05%の次亜塩素酸ナトリウムなどで感染力を失うことが知られています」(0.05%の次亜塩素酸ナトリウム薄めた漂白剤)で拭いた後、水拭きするか、アルコールで拭きましょう。トイレや洗面所の清掃をこまめに行いましょう。清掃は、市販の家庭用洗剤を使用し、すすいだ後に、0.1%の次亜塩素酸ナトリウムを含む家庭用消毒剤を使用します。
次亜塩素酸ナトリウムは家庭用漂白剤の主な成分で、各家庭に常備してある割合が比較的高く、コロナ対策として簡単に用いることができます。
しかし、漂白剤の表記があっても主成分が次亜塩素酸でないものもあるため、使用する際は表記を確認することが重要です。
メーカー (五十音順) | 商品名 | 作り方の例 |
花王 | ハイター | 水1L に本商品 25mL(商品付属のキャップ 1 杯) |
花王 | キッチンハイター | 水1L に本商品 25mL(商品付属のキャップ 1 杯) |
カネヨ石鹸 | カネヨブリーチ | 水1L に本商品 10mL(商品付属のキャップ 1/2 杯) |
カネヨ石鹸 | ネヨキッチンブリーチ | 水1L に本商品 10mL(商品付属のキャップ 1/2 杯) |
ミツエイ | ブリーチ | 水1L に本商品 10mL(商品付属のキャップ 1/2 杯) |
ミツエイ | キッチンブリーチ | 水1L に本商品 10mL(商品付属のキャップ 1/2 杯) |
アルコール消毒や次亜塩素酸ナトリウムだけでなく、手洗いをすることによっても菌やウイルスの数を減らすことができることが厚生労働省のホームページる「新型コロナウイルス対策 身のまわりを 清潔にしましょう。」の中に表記されています。
アルコール消毒だけではなく、日々の手洗いなどもしっかりすることがウイルス対策になると考えられます。
手洗い | 残存ウイルス |
手洗いなし | 約 100 万 個 |
石けんやハンドソープで10秒もみ洗い後 流水で15 秒すすぐ(1回) |
約 0.001% (数十個) |
石けんやハンドソープで10秒もみ洗い後 流水で15 秒すすぐ(2回繰返し) |
約 0.0001% (数個) |
Smile Up ! Project ~Wash Your Hands~ 木村拓哉 – YouTube
【手洗い動画(Wash Your Hands)】〜嵐〜 – YouTube
PPAP-2020-/PIKOTARO(ピコ太郎) – YouTube
今回は家庭でできる消毒法などについて比較をさせていただきました。アルコール消毒液などの消毒商品を購入することが厳しい状況ではありますが、コロナウイルスに対しての有用性は高く、70%以上のもので手指消毒を行うことが個人が感染しない、感染させないためには重要になります。自宅に感染者がいる方は次亜塩素酸ナトリウムを使用し、感染を広げないために努力する必要があります。手洗いなども適時おこなうことでウイルスの数を格段に減らすことができるので、各個人が日々の生活の中で気をつけて生活していくことが重要です。