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フリーランスの扶養控除の活用方法と所得の上限について解説

フリーランスの扶養控除の活用方法と所得の上限について解説

最終更新:2021/10/13 投稿:2019/10/17
フリーランスの扶養控除の活用方法と所得の上限について解説

今回はフリーランスが扶養控除を正しく活用して、節税を行うための知識について解説させて頂きます。自分の子供や両親など、家族を扶養に入れることで、大きな節税効果を発揮する扶養控除。正しい知識を持って申請することで、税金や健康保険料を抑えることができるとても有効な制度です。この記事では扶養控除の申請方法についてもご紹介させて頂きます。

フリーランスの扶養控除とは

フリーランスと扶養控除の関係について解説させて頂きます。
「扶養」という言葉には「自力で生活できない者の面倒を見ること、養うこと」という意味があります。生計を共にする家族の中で、所得が低い人を「扶養家族」と呼びます。
つまり、扶養に入れるということは、一番所得が高い人が、生計を共にする自分の家族を「扶養家族」として国に申請することを言います。
この考え方は会社員でもフリーランスでも同様に当てはまり、ある一定の条件をクリアすることで申請することができます。

つまり「扶養に入れる」とは、生計を一にする自分の家族を扶養家族として国に申請することを言います。扶養家族として申請するメリットは「支払う税金の額」を大きく削減することができるという点です。
日本には一定の収入がある人に所得税を課す法律があります。家族のうち複数人が働いていた場合でも、申請をしなければ所得税は家族それぞれに対して別々で課されてしまいます。
しかし、扶養家族として申請しておくことで、家族の人数や年齢、また同居家族か別居家族かなどの条件を加味した上で、基準に応じた額が所得税から引かれることになるのです。

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扶養控除のメリット

扶養控除のメリットについて解説させて頂きます。
扶養に入れることのメリットについては先ほどお伝えさせていただいた通り、納める税金の金額が抑えられるという点です。日本では一定の収入を得る者に対して、所得税を課す法律があり、家族のうち複数人に所得が発生している場合、通常であればそれぞれに対して所得税が課されてしまいます。しかし、扶養家族として申請をすることで、家族の人数や年齢などの条件を加味した上で、基準に応じた金額が所得税から控除されます。
またこの扶養控除は所得税以外にも、健康保険が安くなることもあるので、こちらも合わせてチェックしておく必要があります。

フリーランスが扶養控除を受けられる条件とは

フリーランスが扶養控除を受けるための条件について解説させて頂きます。

所得税の扶養控除

扶養控除は16歳以上の子どもや70歳以上の親を養っている(扶養している)場合に、所得金額から一定金額が控除される制度です。ただし所得の控除を受けるためには、被扶養者の年間の所得が38万円以下で収入が103万円以下である必要があります。また子どもについては16歳以上の扶養親族がいることで扶養控除が受けられるようになるため、子どもが中学生以下の場合は扶養控除を受けることができません。

所得税の扶養控除を受ける条
・16歳以上の子どもや70歳以上の親を養っている
・上記の被扶養者の所得金額が38万円以下である
・上記の被扶養者の収入金額が108万円以下である

健康保険の扶養控除

フリーランスが会社員時代の社会保険を任意継続している場合にのみ、保険料の扶養控除を受けることができます。こちらを受ける条件としては、被扶養者の年収が130万円以下である必要があります。ただし60歳を超えている場合や、障害厚生年金に該当する障害を抱えている場合などは、上限が180万円に緩和されます。他にも社会保険の扶養控除を受けるためには以下の要件に該当する方でなくてはなりません。

健康保険の扶養控除を受ける条件
・被扶養者の所得が130万円以下
・被扶養者が配偶者及び子、孫、弟、妹、父母、祖父母などの直系親族であること。または同居している三親等いないの親族及び内縁関係の配偶者の父母や子である。

扶養控除の金額について

扶養控除により控除される所得税の金額について解説させて頂きます。
下記の表と計算式に応じて、所得金額から一定の金額が控除される決まりとなっています。

対象年齢 / 控除額
16~18、23~69歳 / 38万円
19~22歳 / 63万円
70歳~(両親、祖父母) / 58万円
70歳~(両親、祖父母以外) / 48万円

上記の表に記載されている控除額に以下の表の税率を掛け合わせた金額が控除されます。

課税所得金額 / 税率
195万円以下 / 5%
~330万円まで / 10%
~695万円まで / 20%
~900万円まで / 23%
~1,800万円まで / 33%
~4,000万円まで / 40%
4,000万円以上  / 45%

上記の2つの表から導き出された控除額を下記の計算式の「所得控除」の部分に当てはめて計算することで、所得税額を計算することができます。

所得税の計算式
(収入 - 経費 - 所得控除)× 所得税率 = 所得税額

この数式の「所得控除」の部分には、配偶者控除、青色申告特別控除、専従者控除なども含めて計算することで、最終的な所得税額を算出することができます。

フリーランスの得する節税対策と受けるべき所得控除についてはこちら>>

フリーランスが扶養控除を受けるための手続き

フリーランスが扶養控除を受けるために必要な書類や手続きについて解説させて頂きます。

扶養控除申請に必要な書類
・給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

扶養している家族がいる場合、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」という書類を提出する必要があります。こちらの用紙、実は会社員時代に記入していたものと同じ書類で、見覚えのある方もいらっしゃると思います。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書とは

扶養控除申請の際に記入する給与所得者の扶養控除等(異動)申告書について解説させて頂きます。給与所得者の扶養控除等(異動)申告書とは、扶養親族に関する情報を国に知らせ、それをもとに所得控除金額が決定される役割を担っています。
従業員を雇っているフリーランスの場合、この書類の他にも、下記書類を準備し、従業員の年末調整を行う必要が発生します。

生命保険料控除証明書
地震保険料控除証明書
国民健康保険、国民年金保険料の金額
小規模企業共済、心身障害者扶養共済制度の掛金額
住宅借入金等特別控除の明細書
給与所得者の扶養控除等申告書
給与所得者の保険料控除申告書
配偶者特別控除申告書
給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書

まとめ

フリーランスが扶養控除を正しく活用し、節税を行うための知識について解説させて頂きました。生計を一にする家族の有無に応じて、毎年支払う所得税や健康保険料に大きな影響を及ぼす扶養控除制度。年齢や所得の制限が細かく敷かれているため、条件をしっかりと把握した上で、適用できる場合には積極的に活用していくことをお勧めします。

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