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青色申告/白色申告の違いとメリットデメリットについて解説

青色申告/白色申告の違いとメリットデメリットについて解説

最終更新:2021/10/13 投稿:2019/10/02
青色申告/白色申告の違いとメリットデメリットについて解説

確定申告の方法として青色申告と白色申告の2種類があります。どちらもこれまで会社員だった方にとっては馴染みのない言葉だと思います。ただなんとなく青色は難易度が高く、白色は簡単というイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。青色と白色では提出が必要な書類も異なれば、受けられるメリットなども異なります。今回はこれらの違いやメリット・デメリットなどについて解説していこうと思います。

青色申告と白色申告の違いについて

青色申告と白色申告という名前の由来について諸説ありますが、青色申告については「青空のように一点の曇りない申告をしよう」というメッセージが込められており、対して白色は白い紙で申請するため、白色申告と呼ばれるようになったという話があります。

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参照:Wikipedia

青色申告とは

事業所得、不動産所得、山林所得を有する事業者が、日々の収支を帳簿に記録し、それを集計したものを確定申告書に記載して提出・申告する制度のことを言います。青色申告では原則「複式簿記」での帳簿を義務付けられており、簿記の知識がない方や初めて複式簿記を見る方にとっては難易度が高いものになっています。そのかわりに税金がやすくなる特典が用意されています。

白色申告とは

一方で青色申告を行わない事業者が行う申告制度で、青色簿記の「複式簿記」ではなく「単式簿記」で帳簿を行うため、初心者にとっても難易度が低い申告方法になります。その分青色申告で受けられるようなお得な特典は用意されていません。

帳簿の記帳方法の違い

まずは帳簿の記帳方法の違いから青色申告と白色申告の違いを見ていこうと思います。最終的に行う計算は同じなのですが、青色と白色には、過程と記入が必要な項目に大きな差があるのです。

■青色申告の記帳
青色申告で使用する複式簿記では、お金の増減と残高を確認するだけでなく、収支が発生した動きも全て細かく記していく必要があります。頭の中でお金の勘定をするとき、大抵の人が単式簿記の考え方でものを見るため、慣れるまでは非常に扱いづらい帳簿になります。しかし、より具体的かつ詳細に内容を記すことができるため、不正が起こりづらいなどのメリットもあります。

■白色申告の記帳
白色申告では取引年月日、売上先、仕入先など基本的な情報を記帳し、最終的な収支を計算すれば良いので複式簿記と比較するととても楽に帳簿がつけられます。まさに家計簿やお小遣い帳のようなイメージなので、初心者の方でもかなり馴染みやすいと思います。

必要な保存書類の違い

青色申告と白色申告では保存しておく必要のある書類の種類と、それぞれに義務付けられた保存期間が異なります。

青色簿記
■帳簿
仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳→7年間

■書類
・決算書類(損益計算書、貸借対照表、棚卸表)→7年間の保存が必要

・現金預金取引書類(領収証、小切手控、預金通帳、借用証)→7年間(前々年所得が300万円以下の場合5年間)

・その他(請求書、見積書、契約書、納品書、送り状など)→5年間

参照:国税庁

青色申告・白色申告のメリットは?

青色申告と白色申告の概要とその違いについてなんとなくご理解頂けたでしょうか。次はそれぞれのメリット(デメリット)について解説します。

青色申告のメリット

青色申告のメリット
・特別控除金額(10万円、65万円)
・赤字を3年間繰り越し可能
・家族への給与を経費として計上可能
・自宅がオフィス兼用の場合、家賃・光熱費も一部経費に

特別控除金額(10万円、65万円)

青色申告のもっとも大きなメリットとして、税額控除が多く受けられるということでしょう。2段階の青色申告の中にも2種類の申請方法があり、控除額が65万円と10万円のものがあります。実は青色申告の中でも複式簿記で記帳する必要があるのは65万円控除の方のみで、10万円の申請については単式簿記への記帳で問題ありません。
また現在白色簿記でも書類の保管義務が制度化されたため、事実、青色申告の10万円控除と白色申告に大きな手間の差は無くなっています。それであれば、少しでも控除や特典が受けられる青色申告を選ぶ方が賢いと言えます。

赤字を3年間繰り越し可能

また前年の赤字を翌年以降に繰り越すことができるため、例えば1年目に赤字を出してしまって翌年以降黒字に転換することができた場合、2年目の税額を前年の赤字分で大きく控除することができるのです。白色申告の場合はこれが出来ないため、基本的に翌年以降黒字化の目処が立っている場合は青色申告を行った方が得になります。

家族への給与を経費として計上可能

生計を同一にする家族に対して専従者給与として支払っている場合、青色申告であれば常識的に妥当な金額であれば上限なく経費として計上できることになっています。白色申告の場合上限金額が決まっており、配偶者は86万円、その他親族は50万円となっています。

自宅がオフィス兼用の場合、家賃・光熱費も一部経費に

フリーランスのエンジニアやデザイナーの場合、特に大掛かりな設備も不要なため、自宅を事務所として利用している方も多いのではないでしょうか。その際の家賃、水道光熱費などを事業用とプライベート用に分割し、事業用として認められる分については経費として計上することができます。これも白色申告ではできない特典になっています。

白色申告のメリット

白色申告のメリット
・とにかく申請手続きが簡単

白色申告のメリットは、とにかくお手軽で知識がなくてもすぐにできるという部分になります。事前の申請書の提出も不要ですし、帳簿も単式簿記なのでシンプルです。その代わり青色申告で受けられるような特別控除は全くなく、前年の赤字を繰り越すことができません。

青色申告を行うための手続き

青色申告で確定申告を行う場合、「青色申告承認申請書」という書類を事前に税務署へ提出する必要があります。提出期限は青色申告で確定申告を行う予定の年の3月15日というルールになっており、例外として1月16日以降〜3月末日までに事業を開始した事業者は、事業開始から2ヶ月以内に提出するという期限が設けられています。

帳簿の付け方を青色申告会に相談しよう

青色申告会とは、青色申告をしたい事業者に対して様々なサポートを行なっている団体です。青色申告の提出方法や帳簿の記帳方法などの指導を行なってくれるため、簿記の知識がない方や、初めての青色申告を行う方が利用しています。この青色申告会という納税者団体は昭和25年に立ち上げされており、実際に青色申告を行なっている小規模事業者(納税者)などを中心に運営されています。
実際に青色申告会に相談を行いたい場合、日本全国にある青色申告会の窓口の中から最寄りの場所を見つけましょう。窓口検索は「全国青色申告会連合のホームページ」から簡単にできます。

青色申告会に入会してサポートを受けるには

青色申告会の多くは会員制をしいており、サポートを受けるには入会金、年会費、記帳指導料といった利用料金を支払う必要があります。入会する団体によって金額が異なるのですが、概ね以下のような価格帯になることが多いです。

入会金:無料〜2,000円
会費:1,000円〜2,000円(月額)

税務署などに青色申告会のパンフレットが置いてあるので、どのようなことができるのか、入会前にチェックしておくことをおすすめします。

青色申告会で受けられるメリット

青色申告会に入会することで、青色申告に関する様々なサポートが受けられるようになります。これらのサポートが受けられることに加え、同業種、異業種の経営者から事業計画へのアドバイスを受けられるというメリットも大きいです。これは開業して日が浅いフリーランスにとってはとても有益なことでしょう。

簿記記帳・税務関係のサポートが受けられる

青色申告に必要な複式簿記の記帳方法の指導が受けられます。しかも入会中、事務局の営業中であればいつでも無料で相談をすることができるため、複式簿記に高いハードルを感じているフリーランスにとっては心強いサポートと言えます。
またそのほか、経理や税務関係で不安なことやわからないことがある時に、詳しい方にすぐに聞くことができるという環境も事業をしていく上で大きな存在になることは間違いありません。

保険制度も付随している

病気や不慮の事故、火災による入院や志望の際にお見舞金が支給される互助会制度や、傷害保険、がん保険などといった会員専用の保険に加入することができます。

会員向けの福利厚生も充実

健康診断や会員旅行など、会員向けの福利厚生も充実しています。ホテルやテーマパーク、飲食店を割引で利用できる場合があります。細かいことですが、会社に所属していないフリーランスにとって福利厚生を受けられるということ自体が嬉しい特典になります。

まとめ

青色申告と白色申告の違いとそれぞれのメリット、デメリットについて解説させていただきました。会社員時代には知らなくても全く問題のないこれらの知識ですが、フリーランスとして活動していく場合には、お得になる方法を知っているか否かで意外と大きな差が生まれるものです。本業で頑張って稼いだ収入を少しでも多く自分の手取りにするために、しっかりと情報収集をおこない、ぜひ青色申告に挑戦してほしいと思います。

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